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盗難車の末路3

次の日の夕方、早紀、佳苗、里子、このいつもの面子で食事に出掛けた。


いつもの事なのだが、クラスメートの話だったり、昔の彼のその後などの話題で盛り上がったり、話題はどんどん子供達の話や旦那、姑に移っていく。


始めは、そうなんだとばかりに頷いているのだが、所詮私は一人者で。

自然とソフトドリンクからお酒へと変わっていく。

上辺だけは

”聞いてるよ〜”と。


そうして、最後は誰かしらが

「美晴はいいよね〜。私、早まったかな?」なんて。


いつか、誰かに

「そんな事本気で思っても無いくせに!」

っていってみたい。


とはいいつつも、彼女達と話すのはとても楽しかった。

会社で仮面をかぶっているような私はここでは本当の自分をさらけだせるのだから。


そうして、実家へ帰ってのんびりした日々を過ごす。

メールを送ってから既に3日。

彼からの連絡は全くなかった。

私のゴールデンウィークは終わってしまった。


田舎でリフレッシュするつもりだったのに

車を盗まれ、彼からの連絡もこないまますっきりしない連休明け。

おまけに未だに私の車の行方もわからないまま。


彼からのメールの返信がきたのは連休明け2日後


「見つかったか?」


ただそれだけだった。

もういい加減潮時だよな。

一人呟いてみるも、こんな彼でもいなくなるのは寂しいもので、最後の一言を言えないでいる。


その週末珍しく彼から電話があった。

電話から聞こえる声は優しく私をいたわるものだった。


車が無くなっても、美晴がいればいいじゃん。


彼はそう言った。

最後の一言を言わなくて良かった。

その時はそう思ったのだが、それがこの後私の人生を狂わせる大きな間違いだった。


彼は、先輩が丁度車を買ったので、今まで乗っていた車を譲ってくれると言ってるよ、と。

私の事を考えてくれていたのだと素直に嬉しく思った。


次の週末、車を譲り受けに行こうとまで言ってくれた。

それだけで十分だった。


始めは断ったのだが、やはりずっと車を持っていただけに、不自由な事も多く結局譲ってもらうことにした。


彼ははじめからそのつもりだったようで、週末という約束だったにも関わらず週半ばで車を貰ってきてくれた。

そして、来週にも直ぐに名義変更に行ってくれると言ってくれた。


保険だけは何かあったら怖いので直ぐにでも入ろうとしたんだけど、どうせ直ぐに名義変更に行くからとそのままになってしまった。


今思えばここは私の第3ターニングポイントだったかもしれない。


勿論、第1は車の鍵を掛けなかった事

第2は彼と別れなかった事だろう。


そして、私の運命の日がやってきてしまった。



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