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【特別編】不思議の国のどちらさま?その2

不思議の国の燐ちゃん 第2幕です。

 目を覚ました燐は辺りを窺い、どこかの海岸に打ち上げられた事はわかった。よく寝たと伸びをし、どこいるかもしれない服をきたウサギを探す。


 寝ている間しゃべる鳥やヒトデを見た気がするが、きっと夢だと思うことにした。


 そして燐はもう一つ夢であってほしい事があった。それは、いつのまにか変わっている服装の事だ。水色を基調としたワンピースの上に純白のエプロンといったシンプルなエプロンドレスである。


 燐は自身の姿を確認しつつ、着けていたヘッドドレスを海に放り投げた。服も脱ぎたかったのだが、どういう訳か脱ぐことが出来ず宝物庫にも収納不可能だったのである。


 そのあと数分ドレスと格闘したが、一向に脱げる気配がしないので燐は諦めしゃべるウサギを捕まえて憂さ晴らししようと考えた。


 燐が元々こうなった原因はキャロルのような気はするが、服を着たウサギをターゲットとした燐は海岸から見える森に向かって行く。


 森の中で燐は変わった双子を見かけ、道を尋ねた。


「お~い。ちょっと聞きたいんだけど、服を着たウサギ見ませんでしたか?懐中時計持っていて、急いでる様子の」

「「見てないけど、急ぎですか?よかったら、僕達と遊んでいきませんか?」」

「結構です」


 燐はそっけなく対応し先に進もうとしたが、ずっと着いてきてちょっかいをかけてくる。それでも、変なやつらだなと燐はその双子の話を聞いてやることにした。


 双子は途端に嬉しそうに笑顔を向け、物語を話してくれた。


 いろいろな話をしてくれる双子に燐も最初は聞き入っていたのだが、次から次へと語られる話に終わりが見えないので、そっとその場を後にした。


「ごめんね。話は面白かったんだけど、ちょっと長すぎるよ」


 その場を離れた燐はやっと森を抜け、1軒の家を見つけた。畑もあり、道を聞こうとしたが中から現れたのは例の服を着たウサギ。


 何かパーティーに遅れるとか言っているが、燐には関係のない事で捕まえようとした。ところが服を着たウサギは「何をやっているんだ、早く準備をしろ」っと燐を急かす。


 意味が分からず部屋に押し込まれ、準備をする事になった。だからと言って、これ以上着飾りたくない燐は部屋を物色し始める。


 なんとビスケットの缶を見つけた燐は、悪いと思いつつも何枚か口の中に放り込んだ。


「おー、結構おいしいな。もうちょっと貰っておこっと」


 そう言って燐は結構な量のビスケットを食べた。後は面倒なので、ウサギを捕まえて帰ろうと思ったのだが体がどんどんと大きくなっていく。


「またか!?ここの食べ物はこんな物ばっかりなのかよ……」


 燐は巨大化していく体をなんとか丸め、どんどんと巨大化していく力で家ごと吹き飛ばした。


 バキバキ ベキベキ ズン……


 辺りに轟音を撒き散らしながら、ウサギの家は全壊する。それを見た服を着たウサギは大声を上げどこかへ走り去ってしまった。


「ばばば、化け物だぁぁぁぁぁ!?!?!?」

「……」


 燐はとりあえず追いかけるのを止め、全壊した家の中から先程のビスケットと飴玉を発見する。ビスケットは食べる気は無いので、飴玉かっと溜息を吐きつつ口の中に放り投げた。


 すると上手く体は先程と同じサイズに戻ったので一安心する燐。


 とりあえず、どこに行けばいいのか分からないので服を着たウサギの後を追いかけた。


 また森に向かった燐は、途中しゃべる花やしゃべる芋虫に妨害されつつも先に進んだ。何度も燃やしたいという感情が湧き上がったが理性でそれを抑えた。


 燐は花粉や泥に塗れながらどんどんと先を進んだ。道無き道を進んでいたが、さすがに迷ったかと考え出していた頃、木の上から燐に話しかける者が。


「どうしたんだい?道に迷ったのかい?」

「……」


 燐は声のした方を振り向くと、赤紫とピンク色のストライプ柄をした猫らしき生き物がそこにいた。


「私の名前は~、チェシャ猫。君は~……アリスだね?」

「違いますけど」


 燐ははっきりと否定する。そして、考えたくもない名称が2つも出てきたので燐はその考えていた事を認めざるおえないと理解した。


「俺の名前は八神燐。アリスじゃない」

「いいや、君はアリスだ。そんな可愛らしい服を着てアリスじゃないなんてありえない。アリスになって下さい、お願いします」


 燐はチェシャ猫ってこんなやつだったかなと首を傾げる。チェシャ猫と言えばいじわるで不気味な猫だったはずだと記憶を遡る。


 燐はいろいろと考えた結果、面倒だと思ったのか諦めたのかは定かではないが自分の事をアリスだと認めた。


「やっぱりアリスだったんだね」

「はぃ、私は……アリスです」


 燐の中で何かが音を立てて崩れ落ちた気がしたが「私はアリス 私はアリス」と何度も呟き暗示をかける。勿論効果なんて全く無いので、ただの気休めなのだが。


 そんな燐に追い討ちをかけるように、アリスだと認めたせいか髪が伸び始めセミロング程の長さになっる。


 燐はそれを確認し、深い深い溜息を吐いて次に進もうと決めた。


「アリス、ここを進んだらイカレタ帽子屋と三日月ウサギがいるから気をつけて行っておいで」

「俺の頭もおかしくなりそうだよ、猫さん」


 とりあえず、燐は森を進んで行く。途中、どこから現れたのか派手な服装の……おやっさんと出合った。


「なるほど……これはなかなかに、イカレてるかもしれない」


 筋肉隆々のおやっさんが派手な装いで、くるくると回りながらお茶を淹れてくれる。それを燐は死んだ魚の様な目で見つめた。


 その様子をじっと見つめていると、近くの草むらがガサガサと音を立ててウサギが飛び出す。それは探していた服を着たウサギではなく、ウサミミフードをかぶったカナタさんだった。


 ウサミミカナタは燐の周りを何周もグルグル回り、目の前で立ち止まる。燐は溜息をつきつつ、ウサミミカナタを見つめた。


「はい、アリス!!お菓子もあるよ!!」

「俺はアリスじゃ……いただきます」


 燐は反論しても無駄だと判断し、お菓子を受け取る。お茶とお茶菓子を持ったまま、近くにある長テーブルの1つの席につく。


 燐はお茶を一口飲み味を確認した。


「お、おいしい」

「そうだろう?そうだろう?俺が毎日淹れて研究した結果なんだぜ?」

「へ~、おやっさんにそんな特技があったなんて」


 燐は素直に感心していたが、これはおやっさんではないなと冷静に分析している。そんな燐の目の前でおやっさんの腕力でウサミミカナタが宙を舞いながら、きゃっきゃと笑っている。


 勿論カナタもそんなキャラではないので、珍獣でも見るような目で燐はそれを見つめた。


 それはそれで面白いのだが、燐は先へ急ごうとする。


「待ちなってアリス。ほら!!お茶のおかわりもあるからよ!!」


 そういっておやっさんがお茶をどんどん注いでくれる。遂には溢れ出したが、カップを持ち上げどんどんと積み重ねていった。


 燐の目の前にお茶のピラミッドが出来上がり、それをじーっと見つめている。そんな燐にウサミミカナタが踊ろうと誘ってきた。


 楽しい音楽がどこからか流れ出したかと思えば、楽器のクチバシや手を持った鳥や虫が草陰で演奏をしている。


「アリス楽しいね!!もっと踊ろう!!」

「カナタさん、ちょ!?歩きづらいんですから、もう少しゆっくり!!」


 燐は慣れないドレスに足を取られすっころんでしまった。それを、おやっさんが抱き起こしてくれお茶をまた注いでくれた。


「アリスが転んだぞ!!おめでとぉ~!!」

「いぇーい、おめでとう!!」


 燐は2人のテンションにもうそろそろついていけず、疲労困憊っといった感じである。そっとこの場所を離れようとした燐だったが、普通に服を着たウサギがお茶を飲んでいた。


 それを見つけた燐は、急いで座っている席に行き服を着たウサギを捕まえようとした。


「やっと……見つけたぞ。こらっ、ちょ!!待てって!!」


 ウサギは燐を見るや、化け物が追いかけて来たっと大声を出して目にも留まらぬ速さでジグザグに逃げていく。


 それを燐は急いで追いかけるが、やはり上手く走れず見失ってしまった。


 燐は溜息を吐き、切り株の上に腰を降ろすと「いっそこの森ごと焼き払うか?」などと物騒な事を考え出している。


 それでも燐の良心がそれを宥め、森が無くなる事はなかった。


 すると、どこからともなくチェシャ猫が現れて言った。


「また会ったねアリス。どうしたんだい?やっぱり迷子になってしまったのかい?」

「そうなんです猫さん、迷ってしまったんです。このままじゃこの森を焼くか燃やすか炎上させるかしかないんです」

「随分と物騒なお嬢さんだ。しょうがないにゃぁ~、ここに抜け道があるからお行き」


 燐は唯の木だった物に扉がいつのまにかついていた事にビックリしたが、そっと扉を開いた。


 そこには遠くにお城が見え、その手前には綺麗な庭園が見える。


 燐はやっとこの森から出られるんだと思い、颯爽と扉をくぐった。後ろでギギギっと扉が閉まる音が聞こえたので、燐はチェシェ猫にお礼を言う。


「ありがとう猫さん!!君の事は案外好きかもしれない!!」


 やっとここまで来た。燐はそんな事を思いながら城へと向かうのである。

いつも読んで下さり有難うございます。

感想・意見・誤字報告ありがとうございます。


燐が少し闇落ちしそうですが、まだ大丈夫でしょう。

メンタルが豆腐な燐ちゃんではありません!!

アルメンティア製の豆腐です!!(なにそれ

第3幕で終わりになると思います!!


それでは次回更新でまたお会いしましょう。

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