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【特別編】不思議の国のどちらさま?その1

今日は特別偏をお届けします。

本編の続きがよかった!!っという方もいるかもしれません。

本編はまた後日、楽しみにしておいてください。


 それは清清しい風が吹く草原での出来事。


 燐とキャロルはお弁当を持って、ピクニックにきていた。


 どこまでも広がる緑の絨毯の上で2人はおいかっけっこをして遊んでいたが、さすがの燐もキャロルの体力にはついていけず、一休みしようと提案する。


 燐は宝物庫からバスケットを取り出し、ついでに取り出したシートの上にちょこんと置く。キャロルは走り回るのをやめ、燐の元へと戻ってくる。


 今日はサンドイッチを作ってきていたので、燐はとある研究資料を読みながら昼ご飯にする。


 少し行儀が悪いがサンドイッチとは元々こういうものなのだ。サンドイッチを考えた人に賞賛を送りつつ燐は研究資料に目を落とした。


 それから結構な時間が経ったらしく、キャロルは食べ終わり燐を運動に誘う。けれどまだ食事中だというのもあるが、もう少し研究資料を読んでもいたかったので適当な言い訳を見繕った。


「食後の運動は体に良くないんだ。もう少しゆっくりしていよう」

「う~ん……。お兄ちゃんがそう言うなら」


 気持ちのいい風が吹く中、燐は研究資料を読みキャロルは燐の膝の上でゴロゴロしている。けれど一向に動こうとしない燐にキャロルの暇は限界に達しようとしていた。


 そんな時、草原をスキップをしながら歩くウサギを見つけた。服を着たウサギを見つけたキャロルはいい物を見つけたと燐に詰め寄る。


「ねぇねぇ、お兄ちゃん!!ほら、あそこ!!ウサギだよ!!」


 そんなキャロルの訴えに燐は、研究資料から目を外しウサギを確認する。


「ウサギ?別に珍しくもないだろ……服着てるな」

「あっ!!お兄ちゃん、ウサギが行っちゃうよ!!捕まえてきて!!」

「え?捕まえる?俺が?なんで!?」

「はやく~、見えなくなっちゃうぅ~!!」


 キャロルに急かされ、燐は急いで追いかけた。何も障害物のない草原なので、遠くにではあるが確実にその姿を捉える事でできた。


 それを肉体強化を施し追いかけた。どうやら服を着たウサギも急いでいるらしく、距離は詰まっているがなかなか追いつけない。


 それでもやっと、その姿が鮮明に見えるくらいの距離まで近づくと、ぽっかりと空いた穴の中へと飛び込んで行ってしまった。


「ん~……どうしようか。ここまま帰ってもキャロルに怒られるか泣かれるかしそうだな。……入っちゃえ!!」


 燐は勢いそのままに穴に飛びこんだ。その穴はとても深くどんどんと落ちていく。


 肉体強化はしているといっても、このままでは大怪我は免れないと覚悟を決める。ところがその覚悟とは裏腹にどんどんとスピードは落ちふわりふわりとゆっくり落下していく。


「ここは、なんなんだろう。これも重力石の影響か?」


 ゆっくりと落ち行く中、光が見えたと思ったら辺りに様々な家具が浮いている状態だった。そんな空間を通り抜け、燐はストンと床に座り込んだ。


 意味のわからない状況だったが、目の前を服を着たウサギが急いでどこかに向っているのを見つける。


 燐もその後を追ったが、部屋は捻じ曲がり湾曲し上に下にとドアや窓が付いている。服を着たウサギの姿は、どこにもなかったが扉のギギギっと閉まる音が聞こえ奥へと目をやった。


 そこには一つの茶色の扉があり、ここだと確信した燐は扉をあける。


「扉を開けたら、そこは扉でした!!なるほど、意味がわからない!!」


 燐はとりあえず扉を次々と開け、最後の扉を開け放った。造り状、小さくはなっているがなんとか通り抜ける事で出来たその先は全面違った色をした部屋だった。


 赤・青・黄色・紫と色とりどりな壁の一つに小さなカーテンがかかっているのが見え、燐はそのカーテンをめくった。


 そこには予想通り次の扉があり、とりあえずとドアノブを捻ろうとした。


「うわぁお!?勝手にワシの鼻を掴まないでくれないのか?素敵なだんごっ鼻が変形したらどうするんじゃ!!」

「す、すいません!!あの……俺を通してくれないですか?」

「無理無理。そんな図体なあんたを通したら、ワシが木っ端微塵になるじゃないか」


 言われてみればそうなのだが、燐はその上から目線の口調に若干いらっときていた。確かに、燐が鼻なのかノブなのかわからない部分を握ったのは事実でもだ。


 それでも通してもらわないと困る燐は、ゆっくりと優しく交渉をしたがなかなかに頑固で通してはくれない。


 それどころか、何かくれたら考えでもないとか言い出したので燐の頭のどこかでプツンっといい音がなった。


「暖かな光よ 我が手に集え 光は火となり力を以て “光火”。さぁ、どこから燃やそうか?自慢の鼻を融解させてみたら少しは素直になってくれるかな?」

「ままま、待つんだ!!それに私を燃やしたところで、この扉は小さくて通れないだろ?ほら、あのテーブルの上にある物を!!」


 しゃべるドアを燃やすのは、テーブルを見てからにしようと燐はひとまず怒りを抑えた。そして、テーブルの上に置かれた小瓶を見つける。


 私を飲んでと書かれた小瓶を手に取った燐は、手の中でくすぶっている“光火”の威力をグンっとあげる。


 小瓶を持ったまま燐はドアに詰め寄った。


「これ、飲めますよね?毒とかじゃないですよね?俺、死ぬ前にこの部屋くらい吹っ飛ばせる自信がありますよ?」

「だだだ、大丈夫だ!!それを飲めばきっと君の役に立つ!!」


 いつもの穏やかな燐の姿はなりを潜めてはいても、本来は他人の言葉を信じてあげたいという気持ちの方が強い。


 それ位このしゃべるドアは、燐の感情を逆撫でするような態度を取っているのだ。一応燐は小瓶の中身を作り変えようとし、中身を確認し安全であると思われる事は分かった。


 燐はそのビンの中身を一気に飲み干した。一見何も変化はないように思われる。


 ところが燐の目線がどんどんと下がっていき、ついにはドアを通り抜けれる程縮んでしまった。


 小さくなった燐は不快感を顔に表したが、ドアを取れるようにはなったし死んでもいないので苛立ちを納める。


 そしてゆっくりっと燐はドアに近づき、これで問題ないから通してほしいと伝えた。


「あぁ……すまない。カギもかかっている事を忘れていたよ、カギはほらテーブ……」


 そこまで言いかけてしゃべるドアは言葉を失った。なぜならば燐の右手の上に赤々と燃え盛る火炎が目に入ったからだ。


「burn or open」


 燐は静かだけど、強い威圧感を放ちながらしゃべるドアに近づく。


 そして、ガチャリと金属の音が聞こえたかと思うとドアはゆっくりと開いた。燐はちょっとかわいそうだったかっと思い、先に進みつつしゃべるドアを見る。


「うわぁぁん、こんなのあんまりだぁぁぁ……。おぉおぉいおぉいぉぃ……」


 しゃべるドアは盛大な泣き声を上げ、涙がポロポロと溢れてくる。燐は歩を止め、慰めようかと思ったのだが涙の量が尋常ではない。


 涙がどんどん溜まり、津波となって燐に襲い掛かる。燐は咄嗟に宝物庫から木材を選び、木のボートへと加工した。


 燐はそのボートに乗り込み、涙の海を漂い始める。いつの間にか部屋の中だったはずが、よく見る海の風景へと変わっていた。


 もう転覆する恐れはないようなので、燐は風任せ波任せで先を目指した。


 少し疲れたようなので、燐は体力回復の為眠りにつく。


 果たして燐はキャロルのお願いを叶えられるのか。果たして燐は自分の状況を理解できているのだろうか。



いつも読んで下さり有難うございます。

感想・意見・誤字報告ありがとうございます。


特別偏スタートしました!

ちょっと燐が短気かなぁーっと思いますが

それも燐の一面だと思います。


それでは次回更新でまたお会いしましょう。

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