友達作り其の二
「どうして今日、学校を休んだの? 舞は渡辺くんの家族じゃないでしょう?」
「それはそうだけど……」
僕は少し違和感を覚えた。うーんなんだろう……そうだ、 なぜ彼女は今日、僕が学校を休んだことを知っているんだ?
「まぁいいわ、後でね」
あっ…行ってしまった。しかしなんでだろう?もしかして彼女は品口東高校に通学しているのかもしれない。
「なーんか、秋 変わっちゃったな……」
「まぁ中学生の時にキャラチェンジしたんだろ」
「昔はいつもゆったりとしてて、のほほんとしてたのに」
確かに彼女はとても変わった。昔、舞といるときはとても優しくて話していて温かい子だった。いつも、舞にバカにされていた僕を「可愛そうだよぉー、やめてあげてよぉー」とかばってくれた、そして僕がお礼を言うととても照れ臭そうに顔をほころばせながら「どういたしましてっ」と言うのだ。いったい何があったらあんなクールキャラになってしまうんだろうか。
その後も参列しに来てくれた人に少しキョドりながらも対応してお通夜は無事に終わった。明日にはお葬式を開くようだ。お通夜が終わったあと僕を含めた僕の家族と舞のお母さんで話すことになった。舞の父親はいつの間にかどこかへ行ってしまったようだ、本当にあのオッサンぶん殴ってやりたい。
僕は集まったみんなの顔を眺める、父さんと兄さんはもう限界が来てそうだな。目の下のくまもすごいしなんだかふらふらした印象をうける。まぁ昨日は貫徹で今日も今までひたすら運営をしてきたのだ、もう身体はボロボロだろう、我ながら素晴らしい家族を持ったと思う。舞の母親は本当に痩せてしまった、そうとう娘が自殺したことを悔やんでるようだ。今も生気のない瞳をしている。
「とりあえず、あなたと正輝はお疲れさまでした。もう寝てちょうだい。今晩のお線香は私と太一でやるから」母さんが今後の皆の動向について話している。葬式をして遺体を焼くまでにはお線香を途絶えさせてはいけないという決まりがあるそうだ。舞のお母さんはもう休ませることにするらしい。
今晩は長くなりそうだ。
母さんとの話し合いで午前3時までは僕の担当、そこからは母さんと担当を交代する。やることは至極簡単でただお線香を燃え尽きないように見張って燃え尽きそうになったら交換するというもの。母さんは僕に仕事の説明をしたらすぐ隣の部屋で寝てしまった。さて個室で舞と二人きりでこれから四時間、何をしようかな。
とりあえず新しい線香をたてることにした、まだ僕自身は舞のお線香を立ててないのだ。隣で舞が元気でいるのはわかっているが、そこは舞の友達として、幼馴染みとしてやらなくてはいけない気がした。舞の棺の前まで行って作法通りに線香を立てる、線香の煙が薄暗い空間に溶けていく。次に遺体の舞の顔を見ることにした。棺を覗きこむといつもの舞がいた。練炭自殺をした人は顔が紫色になると聞いたことがあるがお化粧をしているせいか舞は苦しんで死んだとは思えないぐらい綺麗な顔をしていた。舞の顔を見ているとなぜ舞が死んだのかが本当にわからない、間違いなく美人な顔立ちをしているし幼馴染みじゃなかったら確実に僕はキョドっているだろう。この先の幸せが約束されているのに死ぬ理由が本当にわからない。
「どうして舞は自殺なんかしたの?」
つい口から心の疑問が漏れてしまった。棺から顔を上げて部屋の後ろに立っている舞の顔を見る、舞はとても険しく神妙な面持ちをしていた。やっぱりそうとうデリケートなところをついてしまったらしい。
「言いたくないなら言わなくてもいいよ」
そう訂正してあげると暗い顔を下げて「ごめんね…」と呟いた。人はきっと理由なしには自殺なんかしないと思う。だから僕は知りたい。生前、何が彼女を自殺まで追いやったのかを。そしてその理由を知ったらその原因をぶち潰してやりたい。僕の友達を、幼馴染みをしに追いやったそいつを、僕は絶対許しはしない。
タイトルを変えました。どうしても暇なときが不規則で…きっと連載は不定期になります。でもちゃんと責任を持って終わらすのでよろしくお願いします。意見感想お待ちしています。どうか色々と教えてください。お願いしますm(__)m