運命には人は抗えない中編
ベッドに入って寝ることにした。そしてベッドの脇のスタンドライトを消そうとしたときにアサガオのしおりが目に入った。それを手に持ってみるカサカサとした感触だ...。
目から涙が出てきた。本当に熱い涙だった。どうして、舞は死んだの?どうして舞は死んだの?どうして舞は死んだの?どうして舞が自殺に追い込まれたの?僕の頭の中はその事でいっぱいになった。舞は性格も明るく美人だった。高校生活をまともに送ったら絶対にクラスの人気者になれたはずだ。それがなぜ入学初日に自殺をしてしまったのか。聞きたい、舞に聞きたい。でも聞けない。もう、舞はいないのだ。世界中どこを探しても舞はもういないのだ。もう二度とあのはつらつとした声は聞けないのだ。僕の話を聞いて、長くのびたポニーテールを揺らしながらお腹を抱えて笑う舞はもういないのだ。幼いあの日、孤独だった僕の人生に光を射してくれた、あの少女とはもう会えないのだ...。死んだ人はもう二度と戻らない。灰になって消えてしまった人はもう二度とは戻らないのだ。今ほど人間はタンパク質の存在であると信じたくはない時はない。今ほど感情とは脳がただの信号として出しているものにすぎないと思えないときはない。
だってただの脳の信号ならこの胸の痛みはなんだ?張り裂けそうなこの思いはなんだ?
ねぇ、なんで舞はあのとき家の前にいたの?僕に何を聞いて欲しかったの?今なら全部聞いてあげれるよ。何を言われても舞のそばにいてあげるよ。だからさ...頼むよ...。もう一度、僕に話しかけてよ。僕に会ってよ。そしていつものように明るくネガティブな僕を笑い飛ばしてよ...。ねぇ神様。もしいるなら。僕にチャンスを下さい。僕の寿命をすべて捧げてもいいから舞を生き返らしてください。
気づいたら僕はどこかの宗教の信者のように必死に泣きながら神様にお祈りしてた、いままで魂とか神様とかを、信じている奴らをネット上でさんざん叩き回してきたけど、祈らずにはいれなかった。どうしても舞と話がしたかった、最後に舞が話に来てくれたことを面倒くさいと無視した僕が、もう一度舞と話がしたいと祈っている。都合のいいことは十分承知だ。気がついたら僕はボソッと一言こう呟いていた。
「舞に会いたい」
「会えるよ」
僕の声はスタンドライトの明かりだけにともされた。薄暗い部屋にとけて消えていった...えっ...?今、会えるよって言ったのは誰だ?僕はガバッと身を起こした
部屋の扉の前にヘヘヘって照れ臭そうに笑う彼女がいた。
あのポニーテールもあの笑顔も笑い声もまさに彼女だった。
「まさか...横下 舞さんですか?」
「...そうだよ、私だよ?」
僕は神様に感謝することにした。
さて急展開です。もうタイトルとかジャンル関係ないですね(笑)ご意見ご感想お待ちしています。色々教えてください。
少し心の中を書きすぎて変な感じです