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  作者: サバイボー
4/10

青春の入り口には必ず何かあるはず後編

 クラスの時間は自由自己紹介だった。三十分間席を立って自由に自己紹介をして、クラスの皆と仲良くなろうという企画だ。正直、人見知りする僕にとっては地獄の時間だった。クラスの皆も同じだったようで最初は全然席を立とうとしなかった。まぁ剛力先生の「立て」という一声で、皆席を立って急いで自己紹介し始めた。見事なものだ、もう立派に上下関係を叩き込んでいた。

 うん?

 何でそんな話し方かって?

 フフッ それはね...聞かないでもらえるかな...。

 いや、最初は良かったんだよ?カイトと一緒に席を立って一緒に自己紹介を始めた。だけど女子の好みの顔のカイトはすぐに女子達に囲まれていき僕は隔離されてしまった。仕方ないので男子のグループの方へ行こうとしたんだけど、なんか...こう、わかる?入りづらい雰囲気が出来ててさ。

 まぁ結局入学早々ボッチライフさ。寂しくはねぇよ。男子とはこれからつながりを作っていけばいいし女子は中学の頃から絡みはない。そう、いいのだ、中学の時もデビューに失敗している俺からすればこの程度の孤独感など恐るるにたらず。中学の時よりもひどいデビューなど存在しないだろう。まぁそれはまた別のお話だ。

 先生の帰りのホームルームが無事に終わり、品口東高校での最初の1日は終了した。

 そそくさと通学路を歩いてすぐに家を目指す。徐々に家が見えてきた、すると僕は家の前に女子がいることに気づいた。舞だ。女子の名前は横下 舞、僕の小さい頃からの幼なじみだ。知り合ったきっかけは幼稚園の時までさかのぼることになる。幼稚園の年中の頃、友達のいなかった僕は皆が外で遊んでいる間いつも教室で絵本を読んでいた。すると女の子がよってきて僕にこう言った。

 「なにしてるの?」 

 めったに女の子に話しかけられない僕は、女の子が僕に話しかけていると知ってとても驚いた。その反応を見て女の子はクスリと笑って僕のとなりに座った。

 「私に絵本読んでよ。」

 それが僕と彼女のはじめての出会いだった。

 その日から僕は彼女に毎日本を読み聞かせた。彼女は絵本を読み終わる度に僕に「お姫様が可哀想」だの「王子様がいなくなって悲しい」だの文句を言ってきた。そしてその度に僕は「これが世の中なんだよ」「全部うまくいくとは限らないんだよ」と彼女に言ってきた。彼女はその日は完結の仕方に毎度文句を言うのだが、次の日になると嬉しそうに僕に絵本を持ってきて「読んで?」と頼む。それが最初はうっとおしかったが次第に僕も同じ趣味を共有出来る友達ができたのが嬉しくて、親にも話すようになった。

 幼稚園で作った朝顔の押し花のしおりを皆、親にあげているところを僕は彼女にあげるぐらい特別な友達になっていた。

 ある日気になって「なんでそんなに絵本が好きなのか」聞いてみた。すると彼女は困ったように笑ってこう言った。

「私、お父さんとお母さんに絵本、読んでもらったことがないの」

 どうやら彼女は家庭に問題があるようだった。

 そのまま僕と彼女は小中と同じ学校で腐れ縁だった。さすがに小中となると絵本の読み合いとかはしなくなったが普段のどうでもいい話で盛り上がった。彼女は友達のいない僕をいつも心配してきた。僕と同じ班になってくれたり僕のことをいい人だと言ってクラスの皆に広めてくれたりもした。結局頭のいい彼女は品口西高校の特待生になって僕とは別々高校になった。

 長くなったが僕と舞はそれだけ知り合った仲だ。そしてその彼女が今、なぜか僕の家の前にいる。

 さて、どうしようか。まぁ仲のいい友達なので話しかけるのが普通なのだが...。今日の僕はデビューに大失敗している。彼女と話したらきっとデビューはどうだったか、と聞かれ大失敗したことを笑われるだろう。それに今日はラノベも読みたい。話していたら時間も食うしな。うん、隠れよう。

 電柱に身を潜めて様子を見ることにした。高校生にもなると彼女はずいぶん可愛くなっていた、クラスの上位グループにも入れるぐらいの顔だろう。まぁ別にだからといって好きになるとかはないのだが。

 よく見ると彼女はすこし目と鼻が赤くなっていた。泣いていたのだろうか...。まぁ別にいいか。ピンポンをならしても今日は誰もでてこない、両親と兄貴は今、写真屋に行ってアルバムを買って写真を現像しているからな。いつも行事の後、夜に帰ってきてアルバムと大量の写真を持って帰ってくる。

 彼女はずいぶん長くいた、三十分ぐらいだろうか。チッ...さっさと帰れよ、と思ったちょうどその時、彼女は諦めてトボトボ帰っていった。夕日に照らされた彼女の後ろ姿はとても小さく寂しそうに見えた。

 まぁいいさ。さてゆっくりラノベでも読んでゴロゴロしよう。

 そしてベッドの上でゴロゴロと過ごした

 しばらくして両親が帰ってきた。   








 そして僕は舞が死んだことを知った。風の気持ちいい春の夜だった。

とにかく話を早く展開しようと思います。あと始めたばかりでわからないことばかりなので感想や改善案をお待ちしています。とにかくなんでもいいので教えたくださいm(__)m

あと更新ですが暇のあるときにするので不定期です。

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