青春の入り口には必ず何かあるはず中編
筋肉狂暴教師である剛力先生の僕たちへの殺害予告の後すぐチャイムがなった。
次はいよいよ入学式だ。
「廊下に並べ」
先生の一声でみんなガチャガチャと席を立って廊下に番号順で並ぶことになった。もちろん僕も続く、殺されたくないしね。
列の一番後ろにつくと先生が「少し待て」といった、まだ準備ができてないそうだ。
おとなしく待っていると前の席で難しい本を読んでいた男子生徒が声をかけてきた。これは友達第一号の予感、この機会を逃すことなかれと俺の青春センサーが反応している。
「はじめましてだね。僕の名前は渡辺 海人だよ、よろしくね」
「こっ...こちらこそよろしく。僕は渡辺太一だ。よろしくえっと...」
「カイトでいいよ~」
「じゃあカイトくん、よろしく」
よし。変なことはいってないはずだ。大丈夫だ、落ち着け相手は男だ。出来るぞ出来るぞ。
「どうしたの?もしかして緊張してる?」カイトが笑いながら聞いてくる。なんでもないよ、と無難に返す。
よく見るとカイトはキレイな顔立ちをしている。身長は俺より小さいものの、その少しナヨナヨした感じが女子の母性本能を刺激しそうだ。少し高めの声だしな。こいつは要注意だぜ
「にしても不思議な気分だな~。僕はいつも出席番号では一番後ろだったから、後ろに誰かいるのが新鮮だよ。」
「あぁ。そうだな、僕も渡辺がまさかこんなにいるとは思ってもいなかったよ。」
「ホントに大きな高校だよね。品口町も高校増やせば良いのに...。」
「確かになこの町だとホントに学力でただ三段階に分けた高校に入ってる感じだよな」
「ホントにそうだよ。しかも僕は頭悪いから危うく不良学校に入れられるところだったよ」
「ミートゥー」
どうでもいい会話を続けていると先生の声がした。どうやらもう準備ができたようだ。緊張してお腹痛くなってきたぜ。
先生が先頭に立って体育館に入っていくその後ろをみんながついていくので俺もみんなに合わせてついていった。
すごい拍手と歓声だ。ギャラリーがまず桁違いに多いのだ、保護者や先輩、外部の人まで呼んでいるので体育館はもう溢れださんばかりの人の数である。
カイトの後ろについて歩いていくと聞き覚えのある声がした。
「太一~!兄ちゃんだぞ~‼」「キャーあなた、たいちゃんよ!」「息子よ~‼」
見覚えのある顔が三個並んでいる。兄と母と父だ。実は兄と母は先に誰よりも早くこの体育館に来て席をとっていたらしい。
うちはこういう行事を命の次に大切にする。そして絶対に記録に残そうとする。やめてくれ、はずかしい。
席のところまで来ても座ってはいけない、他のクラスの入場が終わるまで全員立たなきゃいけないらしい。正直デブにとっては結構辛い。十組まであるので終わるのが本当に長い。早くこいや‼十組。
そう念じること五分間ようやく全クラスが所定の位置についた。ようやく座れた。うん、やっぱイスは最高
校長の話の時や、来賓の挨拶でいちいち立ったり座ったりでイライラした。なんだこの世界一いらない時間は?太もものトレーニングかよ。
なんとか入学式も終わり家族から暖かい声援を受けながら俺は退場した。
次はクラスの時間らしい、僕の会話スキルを解放せねばならぬときのようだな。
そう思いながらカイトと話しつつ教室へ戻った。
まだうまく書きたいのがかけてません。まだ退屈ですが頑張って展開早くしますね