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モータースポーツのススメ

作者: ミラージュ



皆様、『モータースポーツ』って聞くとどんなものを思い付きますか?


例えばF1。毎年日本でグランプリが開催されますね。古くは中嶋悟さんや鈴木亜久里さん、片山右京さんが活躍して現在は佐藤琢磨選手がドライバーとして走っていますね。


他にも四輪のモータースポーツはインディ500やル・マン24時間耐久、日本国内でもフォーミュラーニッポンやGT選手達などがあります。


二輪車のロードレース選手達、MotoGPなども良く深夜にテレビ中継されていたりします。



日本人の大半の皆様がモータースポーツと聞くと、大体はサーキット場を走ってレースをする姿を想像すると思われます。


子供の頃、特に男の人は一度はレーサーに憧れて『誰よりも早く走ってみたい!』と夢見た人もいらっしゃるでしょう。


と、思っても結局はその夢を叶える事が出来ずに諦め、次々と襲いかかってくる現実の流れの速さについていく為にそんな夢さえ忘れていってしまうものです。


あるいは、その煮え切らない気持ちを国道や高速道路、山の峠などを道交法違反覚悟で爆走してしまう方々もいらっしゃるでしょう。


しかし、なぜレーサーになる夢を諦めなければならないのか。なぜ公道での危険なドライビングをしなければならないのか。


それは、『モータースポーツ』という世界への入り口が狭い、と言うより入り口がどこだかわかりにくいからだと思います。


もちろん、F1レーサーなどの世界で活躍する選手になるにはそれ相当な環境と財力、それと幼い頃からの血の滲む様なトレーニングが必要です。しかし、ちょっとしたサーキット場でのレースや公道など走るラリーなどは実は簡単に出来るのです。


もっと詳しい話はJAFのネットサイトを見て頂くとして、私も昔はラリーに憧れてダートトライアルという競技をやっていた事があります。


ダートトライアルとは公道ではない仕切られたコース内にカラーコーン(工事現場などで歩行者通路に置かれる三角のアレです)や他の障害物を置いて決められたコースを順番ずつ通ってゴールまでの時間を競う競技です。


同じコースを何台も一緒に走るレースとは違って一台一台が順番に走るタイムアタックです。その為、競技ライセンスが無い人間でも参加出来るイベントが多く、気軽にドライビングを楽しむ事が出来ます。


同じ様なタイムアタック式では『ジムカーナ』という競技がありますが、こちらはアスファルトなどで舗装された道を走るのに対してダートトライアルは舗装されていない土や砂や砂利道を走ります。


転倒の恐れもあるので車に補助器具をつけなければならないルールがありますが、基本は車検が普通に通る車で参加可能です。

大会の中にはライセンスが必要なものもありますが、無くても参加出来る大会もあります。普通車免許と走る車とエントリー料だけでOK。ねっ、簡単でしょ。



で、話は変わりますがそのダートトライアルをやっていた時の私の体験談を少し。


あるチームの会員になった私はそのチームの先輩から買い取った車でラリーをやりたいと思っていたのですが、ラリーという競技はちょっと初心者には敷居が高い競技らしいのでまずは練習という感じでダートトライアルを始めました。


デビュー戦となるイベントを選び事前にエントリーをして、当日朝早く会場に行ってみるとまぁビックリ。街中を走っていたら避けられてしまいそうなカラーリングやペイントをした競技車があっちこっちにウジャウジャ。

コース場の中にはテスト走行をするオフィシャルの競技車がいたんですがその走りっぷりを見てまたビックリ。凄まじい爆音と土煙を上げてドリフトしまくってるじゃあ〜りませんか。


正に非日常的な別世界。普段公道を走るドライビングテクニックが全く意味の無いものになり、自動車教習所で習った知識は全然通用しません。


デビュー戦一発目のトライアルは散々なものでした。『とにかくアクセルを踏み込め』という先輩達からのアドバイスも頭に入らず、ビクビクしながら走っていたら無駄にブレーキ踏んだら独楽みたいに滑ってクルクル一回転、ハンドル慌てて回してたらまたもやクルクル一回転。

ヘルメットの中で汗まみれになって何とかゴール帰ってきたら、チームのメンバーから『エンジン音も排気音も全く聞こえてこない』、『せっかく音の良いマフラーつけてるのに勿体無い』といじくられてしまいました。(つまりアクセスを踏めていないという事)


その後も全く上達する事が出来ずに仕事の関係で車を手放す事になってしまったのですが、ダートトライアルをやっていた二年間は車の修理費とかでお金がかかって苦しい生活でしたが、とても楽しかった思い出です。



もしも、読者の方でモータースポーツに興味がある人がいるならば、私が伝えたい事は一つ。


百聞は一見に如かず、百見は一動に如かず。まずは思い切って動いてみましょう。やってみましょう。走ってみましょう。

公道や高速道路などで道路交通法を違反して罰を受けたり他人に迷惑かけるよりよっぽど楽しく安全です。

但し、夢を見るのは程々に。お金と命を大切に使って下さい。退屈な生活を打ち砕く病みつきの趣味になるでしょう。



ちなみに、私のハンドルネーム『ミラージュ』はその時に乗っていた車から取ったものです。一番思い入れのある、忘れられない車ですので。



余談。


……売られて北海道に行ったって聞いてるけどまだ元気良く走っているかなぁ。スクラップになってなければいいけど。

あー、今頃になってまたダートラやりたくなってきた。いつかまた走りたいなぁ、そしていつかラリーを走って見たいなぁ。



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