014 ゆう霊ノ跡リエ 改稿前
幽霊…
宇宙を浮遊しそれは光より速かった。
―観念の王国―
それは青白くソコラヲ漂って、裏を返せば暁のように明るかった……
シテ。
そいつは宇宙じゅう…巨大な細胞分裂に拡がって、いたるところへいつでも出現している……
「物語」
シテは宇宙を横切る。
―通過―は、すべての起源だ、すべての牽引だ、宇宙を通過した亡霊は、逆に…すべてを未来へと押しやって……!!
攪乱された虚空。
存在と存在のただならぬ撞着…
かまびすしいメッセージへと到着。
存在と存在の終わりなき横着…
怒号の果てに待ちに待つ静寂。
ああ……
彼はマントのように…
青白いその尾を轢いて流れゆくことで…
ミルクの道が宇宙に延びゆく…
そして物語は…
屍者たちの憐れ憮様な反吐の胤……
待つ。
悪と善は何時如何なる時も反りを合わすことなくて。
牙と牙!
血は流れ拍動は流れ。
宇宙は今。
宇宙は加速的膨張へと奪われていく……
忘却と忘却と忘却と忘却と忘却と忘却と涙…
次元はぶちと音を立て引き裂かれ、残りものたちの今日もルーティンワークスだ。
だから次元の境界に…
虹を架けよう…
あの橋を。
断崖と断崖を繋ぐ光と闇の混ぜ物を…
幻覚と肉体の性交を…
意識は割かれ全ては呑まれ。
憐れは情け、命はなだめ。
幽霊は鳴き、巡礼は凪ぎ。
物語は咲き、色とりどりは破棄。
吐く、そして掃く。
「もうおしまいだ!」
シテが嗤う。
シテは流れる。
すべては果てて…
いのちははてて…
宇宙はいつも踊っていた……
さあ…
出発に還る。
宇宙、何順もの紋切を固ます。
宇宙、シュールにも、何順もの定型句を吐き突ける。
宇宙、突飛なくらいに在り来たり…
シテ…神野使ヰ手…
彼が流れ…宇宙が覆われ…やっとこさ存在たちは…物語を必要とす……
…「物語」を必要とす!!!
シテシテシテ死テシテ死テ死テ死シテ死に果て!
…さあ…物語ははじまる……