あおいフルート②
「僕日」です。
どうぞ見ていってください。
〇〇二
「やっと起きたのですね」
「……」
目が覚めるともうすでに四時間目を終え、クラスの皆が帰宅した後だった。
どうやらここ最近夜更かしをしていたので一時間目からずっと眠り続けていたようだ。
そんな僕の寝顔を無表情に見続けていたのだろう七藤に僕はただただ呆れていた。
なんせ時刻はすでに午後の二時を半ばまで過ぎている、夏のこの時期に人の寝顔を見続けるなんて暑いだろうに呆れる。
「七藤、待っていたのか?こんな時間まで」
「なにか凄い勘違いをしているみたいですから言うけど、私は十部君に待たされていたのです。十部君が呆れるべきは私ではなく自分の睡眠力だと思うのですよ」
「さらっと人の心を読むな。でも普通こんな時間になるまで待たないだろ、起こすなりすれば良かったじゃないか」
「勿論しました。それはもう私が思いつく限りの手段を用いましたが十部君は起きずに眠り続け、結果この時間まで学校に残ることとなったのです」
「なるほど、それは悪かったな。でも僕を置いていけば帰れたのだから帰れば良かったじゃないか」
「親友を置いて帰るなんて私には無理ですね」
「…………」
七藤は無表情にそう言った。
きっと鏡があれば僕の顔は真っ赤になっているだろう、クラスでいつも一人だから、こういう態度をとられるのに免疫が無い。
それを七藤も知っているのだからたちが悪い。
「そういう反応されるとは、私のことを親友と思っているのですね」
「当たり前だろ。僕の親友は七藤をおいて他にはいない」
「それを断言できるとは、さすが私の親友です」
「そうだろう」
「ボッチの中のボッチですね」
「そこまでは無い!」
「そんな……」
「僕がボッチじゃないのがそんなに意外か!」
「そうですね。地球が丸かった位に意外です」
「スケールが壮大すぎる!?」
僕は地球球体説並みにボッチだと思われているみたいだ。
だとすると僕にはコロンブス役が必要だな。
「それでは私がコロンブスとなりましょう」
「さらっと心を読むなよ。ていうか七藤がしたら意味無いじゃないか」
「いえいえ、ここ一か月間で話したのが家族を除いて私一人だという十部君のボッチを疑うほうが無意味というものでしょう。こんな無意味なことで私は航海なんて行きませんね」
酷い、僕のコロンブスは航海にすら出ないらしい。
とはいえ、もしコロンブスのように航海に出たら途中で死ぬことになるのだから、僕としても七藤に航海には出ないで欲しい。
例え冗談だとしても、親友が死ぬ運命に向かって行くのは止めたいからな。
でも、それだと僕がボッチだということを認めなければいけないのか?
……、
「しょうがないか、認めるよ。僕はボッチだ」
「やっと認めましたか、ボッチ中のボッチ」
「はいはい」
「キング・オブ・ボッチ」
「へいへい」
「鬼畜ボッチ」
「ほいほ……って、それは言い過ぎだ」
「あはは」
「なんだよ鬼畜ボッチって。――あぁ、なるほど。七藤、帰ろうぜ。待っていてくれたお礼に途中で昼飯奢る」
どうやら、七藤は怒っているようだ。
無表情だから分かりにくいぜ、まったく。
「当たり前です」
……すがすがしく遠慮がないな。
あとがき
正月の悲しかったこと
先輩に送った明けおめメールが半数以上エラーで帰ってきた
正月を終えて
余った餅が五袋もあり、最近のご飯が餅だけ
ここまで読んでいただきありがとうございます
次回は平成二十七年一月二十五日を予定してます。
(リアルが忙しく遅れる可能性があります。すみません)