あおいフルート①
僕達の日常は異世界系!?略して『僕日』の一話目です。
あおいフルートは軽くいこうと思っています(予定)。
是非、読んで行ってください。
〇〇一
白崎葵と僕の関係は世間一般では幼馴染となっている。
二歳の時に同じ病院に入院し、両方の親が偶々知り合いで、僕と葵の相性が良かったこともあり僕達は知り合いから友達を一足飛びで飛び越し幼馴染になった。
一度興味持ったことにはとことん突っ込んでいく葵と、常に冷めた目で見ていて葵の抑止力となっている僕は昔から二人一組として見られてきた。
元旦からクリスマスまで、一年中一緒にいた。
葵の猪突猛進な性格は中学生になると徐々に治まっていく。
いやいや本当に良かったと思っている。乗り物に乗れば窓から落ちそうになるほど身を外に出したり、動物を見れば突っ込んで行くなどの奇行をそれまで抑えていた僕としてはやっと肩の荷が無くなり自由となれたと思っていた。
しかし、そんなことはなかった。
後で待っていたのは、自由とはかけ離れた孤独だけだった。
葵の抑止力という役目が無くなった僕はクラス内で誰一人声をかけられなくなった。――後で親友の七藤から聞いた話だと僕は葵の腰巾着のような認識だったそうだ。
要するに、葵の側を離れた僕は皆から認識されていなかったのだという。
まあ、僕の話などどうでもよいだろう。
葵の話をしよう。
と言いたいところだけれどここから先は、クラスの窓際で僕が噂で聞いた程度の情報で、けれど僕のイメージとはかけ離れているような話だ。
この情報源は全部七藤一人だけなのは突っ込まないでいただきたい。
切実に、誠実に。
まあ、七藤は信用を絵に描いたようなやつだから、噂話でも信用に値すると思ったのを教えてくれるだろう。
うん。こんな親友ができるなんて、もう僕は感無量だ。
……さて、その噂話に話を戻そうか。
――曰く、入学時には舎弟が五十人以上いた。
――曰く、現在は百人を超えている。
僕はこの時点で葵のイメージが猪から番長に変わって行く。
確かに、小学生の同年代の人達や下の年齢の子達は葵に妄信していたからこの事実も受け入れようと思えば、受け入れることができなくもないが……まあ、噂は噂だ、僕はそんなのには流されない。
――曰く、学校一花がある女性だと言われている。
流石に七藤の初めての冗談かと思ったがどうやら違うようだった。確かにここで七藤が冗談をいうのはおかしいとおもったが、それほどまでに僕が持っている葵に対するイメージとはかけ離れていたからだ。
というより葵は小学生三年生の時、デザートと称してヒマワリの種やタンポポを食べていたやつだぞ。いっそのこと、学校一『花を食べた』女性の方が適切だと思う。
――曰く、文武両道で品性良好な完璧なクールビューティーなんだと。
誰だそれは、僕の幼馴染のキャラクターは今水で綺麗に洗い流されたぞ。
と当時は思ったし、今現在でも思っていることだ。
まあ、七藤に言わせれば、
「思っているだけでは何も解決しないのでした」
なんて妙に説明口調で説明してないことを言われる気がするが、当時はそこまで気にも留めていなかったし、何よりそれを聞いた時期も悪すぎて今の今まで忘れていたことでもあった。
幼馴染の存在を忘れていたのだ。
自分の半生以上共に過ごしてきた幼馴染を。
簡単に、無常に。
まるで一昨日の晩御飯を言えないように、幼馴染の存在を忘れていた。
高校二年生の海の日に『VRMMO』内で唐突に何の脈略も無く、何の伏線も無く再会するまでは忘れていた。
もしかしたら、僕が忘れてさえいなければもっと違う形で葵と再会できたかもしれないと、せめてでもこの日に会うのは避けられたのではないかと僕は思う。
思わずにはいられない。
後悔せずにはいられない。
なんせ、白崎 葵は、声を失っていたのだから。
あとがき
今回の愚痴
投稿日前日に話を百八十度変えたことで、かなりのネタ不足に陥る。
今回の失敗
十九日
「そうだ!主人公を変えよう!」
ポチッ。
書いている小説を消す音。
二十日
「なんで俺はあんなことしたんだぁぁぁぁぁ!」
お読みいただき、ありがとうございます。
次回は平成二十七年一月十一日予定
(もう少し早く投稿するかもしれません)