ウフフ、わたし寝るときは服を着ない主義なんですよ♪
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かわいいわが息子へ
若葉が薫る頃となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
母は元気に御座います。
『アフリカは暑くて飽きたわ。』
そういうことですのでアラスカにでも行って参ります。
エスキモーの方々とクジラでも捕ってお土産にでも致しましょう。
税関かなんかに引っかかったりしたら叩きのめすだけなのでお気になさらず。
ちゃんと持って帰ります。
例え離れていても愛していますよ。
五月晴れの日々をどうかお健やかにお過ごしください。
あっ! 新しく北から来た子をよろしくね!
お母さん、一夫多妻制賛成派よ!
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「――――おはようございます。モーニングニュースです」
どうも、大瀬良人16歳です。
今日は休日。
今、のんびり朝のニュースを観ています。
昨日また居候が増えました。
それでね……やっぱりね……、母さんから手紙がきたんですよ……。
もう驚きはしないけどさ! 次はアラスカね! お願いだから税関の人を叩きのめさないでね! ホントにやりそうで怖いわ!
また北か! 北ですか!!
つーか、最後のマジでなんだよ!
「では、今日のニュースです。アフリカのコンゴ共和国とコンゴ民主共和国の国境付近に独立したコンゴ帝国について情報が入りましたのでお伝えします。
突如として現れた謎のアジア系と思われる女性が不満を持つ人々をまとめあげ、反乱を起こし、独立に成功したとのこと、現在その女性の行方は分かっておりません。
この独立によって来年度から教科書の内容が変更。コンゴという名称の国が3か国も存在することによって、全国の学生は苦い思いをすることでしょう。可哀想に…… では、次のニュースです。先日行われました――――」
って何!? このニュース!?
もしかしなくてもこれやったの母さんでしょ!? どうすんの!?
つーかなんだよこのテレビ局! ちょっとふざけてない!?
まあそんなことはどうでも良くないけどどうでも良い。 どっちだ!?
昨日、綺華さんは家に上がると、
「今日はもう疲れたのでおやすみさせていただいてもいいでしょうか? 詳しいことは明日説明させていただきますので……すいません……」
って言って寝てしまった。
だから何でウチに来たのかまだ知らないんだよね……
「良人さんおはようございますっ! 今からご飯を作るので少し待っててくださいねっ!」
「あぁ、おはよう。」
鈴音がツインテールを揺らしてやってくる。
「綺華さんはまだ寝てるのか?」
とりあえず早く綺華さんの説明を聞きたい。
「お嬢様ならまだ寝ていますよっ!」
そういって鈴音はキッチンに向かって行った。
まぁ起きるまで待つか。
――おせぇ……。
あれから数時間。もうすぐ11時になろうとしている。
鈴音は「お昼と夕飯の材料買ってきますっ!」って言って出かけて行った。
カレンダーには特売の日に印までつけているし、母さんなんかよりよっぽど主婦をやっているんじゃね? ……もう嫁に来ませんか!?
コホン……
休日だしこの時間まで寝ている奴がいてもおかしくないけど……。
一応様子を見に行ってみるか……
俺は綺華さんの部屋へと向かう。
ちなみに、綺華さんには空いていた部屋を使ってもらうことになった。
「綺華さーん。起きてますかー?」
そういってノックをしようとするとドアが開いた。
「あら? 良人さん? おはようございます。」
「あっ! 起きてたんですか! 遅かったので心配して……えっ?」
「たった今起きました。ごめんなさい、朝は苦手で……」
えっ?えっ?
これはっ!! ボンッキュッボンッ!! なんてバランス!!
なによりこの透き通るように白いおみあし、おみあしっ、おみあしっっ!!
ほっぺすりすりしたいっ! 挟まれたいっ!
あぁっ! なんか胸にこみ上げてくるものがっ! ゾクゾクするっ!
ってそうじゃない!
「なんで下着姿なんですか!?」
「ウフフ、わたし寝るときは服を着ない主義なんですよ♪」
なんで楽しそう!?
「と、とりあえず着替えてきてください! リビングで待ってるんで!」
「えっ? 着ちゃってもいいんですかぁ?」
「いいんです!」
そう言うが早いか俺はリビングに向かって走り出す。
だって、襲いかかっちゃいそうなんだもん。