短編小説 桃太郎
年末ぎりぎり間に合いました。
それでは、どうぞ!
むかーし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川でせんたくをしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、大きな桃が流れてきました。
「おや、これは良いおみやげになるわ」
おばあさんは大きな桃を拾いあげて、家に持ち帰りました。
そして、おじいさんとおばあさんが桃を食べようと桃を切ってみると、なんと中から元気の良い男の赤ちゃんが飛び出してきました。
「これはきっと、神さまがくださったにちがいない」
子どものいなかったおじいさんとおばあさんは、大喜びです。
桃から生まれた男の子を、おじいさんとおばあさんは桃太郎と名付けました。
桃太郎はスクスク育って、やがて強い男の子になりましたが、しょうしょうやんちゃに育ちました。
「あんだよ、こっちみてんじゃねぇよ!!」桃太郎はいわゆるヤンキーぽっく育ちました。
ある日、桃太郎がある噂を耳にしました。
「とても強い鬼たちが近くの町を荒らして回っている」と
それを聞いた桃太郎は「へぇー、おもしろそうじゃんw」と言い、おじいさんとおばあさんに自分は鬼を退治しに行くといいました。
すると二人は、「桃太郎が鬼を退治にか?そりゃー、すごいのう。頑張っておいで」と言い、桃太郎に食糧だけを渡し、桃太郎が旅立っていくのを見守っていました。
しかし、この桃太郎、自分が住んでいた近くの盗賊たちを素手で倒しているのです!
ゆえにおじいさんとおばあさんは桃太郎なら、鬼を倒すであろうと思っていたのです。
鬼退治に出て二日目
桃太郎は鬼が住んでいるといわれる鬼ヶ島にゆっくりとだが、近づいていくのでした。
すると、目の前に犬、雉、猿の三匹が現れました。
「誰だよ、お前ら」と桃太郎が言うと
「久しぶりだな、桃太郎。今日こそ討ち取らせてもらう!
ゆけ!猿、雉!」リーダー格の犬がいうと猿と雉がそれに呼応し、
「「死ね!桃太郎!」」と言い、猿と雉はその自慢の爪で桃太郎に襲い掛かりました。
あわや、桃太郎大ピンチ!と思われたが
「ふんっ!!」
「ゴペっ!!」「ゴファッ!!」二匹は桃太郎の強烈な拳と蹴りがはいり、一発KOでした。
「あぁ、猿君、雉君、大丈夫!?」犬が地面にうずくまっている猿と雉に近寄ります。
「だ、大丈夫です、犬さん」「私も、大.丈夫...です」二人は重症でした。
桃太郎はこの三匹をどこかで見たなと思い、頭をかかえました。
「もう、桃太郎さん!ひどいじゃないですか!」
犬の口調を聞いて桃太郎は思い出しました。
「あー!お前ら、じいさんとばあさんを手伝ってた三匹か!」
桃太郎は目の前にいる三匹が自分を育ててくれた二人を手伝っていた三匹と思い出したのです。
「つか、なんでお前らいるわけ?他はどうした?」
しかし、桃太郎は不思議に思いました。
おじいさんとおばあさんを手伝っているのは目の前にいる三匹だけではないのです。
いつもは犬を筆頭に近くの山に住んでる動物たちが二人を手伝っているのに、目の前には三匹しかいません。
「つかよ、なんでこんなところまで来て、俺を殺しにくんだよ?」
いつもは動物たちが徒党を組んで、桃太郎を倒そうとするのですが、桃太郎はとても強く束になった動物たちを拳と蹴りだけで倒してしまいます。
「あのですね、私たち、桃太郎さんの家に行ったら、桃太郎さんいなくて、二人に聞いたんですよ」
以下回想シーン
『こんにちはー!桃太郎さん、いますかー?』
『おや、犬さんいらっしゃい。今日も手伝いに来てくれてありがとうな。
でも残念だのう、今、うちの桃太郎、鬼退治に行ってくるって今日の朝出かけて行ったじゃよ』
『え、そうなんですか!?でも、どうしよう。今日もみんな来てるんだけどなー?』
『あら、いつもの稽古?せいが出るわねー』
『もう、違いますよ、おばあさん。桃太郎の抹殺ですよ』
『あら、そうだったかしら?けどあの子強いからね~
けど、もしかしたら鬼に負けちゃうかも』
『えー!そんな、私たちが桃太郎さん倒すって決めてるのに?!』
『今頃、桃太郎は鬼ヶ島とこの家のちょうど中間点あたりにいるはずよ』
『あ、わかりました、ありがとうございます。
誰か!今日、私と一緒に桃太郎さん倒しに行ける子いない?』
『僕、大丈夫だよ』『私も大丈夫です』
『あぁ、猿君、雉君ありがとう。
他の子は二人の手伝いしていってねー!』
『はーい!!』×多数
回想終わり
「ですから、私たち急いでここまで来たんですよ」
桃太郎は頭を抱えました。
「はぁー、あんの二人。
なんで、俺を殺しに来るやつらに俺の行き先教えんだよ。
つか、俺に追いつくの早くねぇか?」
桃太郎は必死に歩いて中間点にいるのに目の前の三匹は急いできた割には息を切らしてはいませんでした。
「あぁ、それはですね、大鷲君に運んでもらったんですよ」
犬が答えました。
「そういや、大鷲がいたな、クソ!あいつに運んでもらえばよかった!」
桃太郎は自分の今までの苦労を思い出していました。
「まぁ、いいや。おい、お前ら」
桃太郎は三人に向かって言いました。
「今からよ、鬼退治、一緒に行くぞ」
「....えー?!そんな急に言わないでくださいよ!」
本当に急です。
「あんだよ、文句あんのかよ?」
「いえ、ありません!!」×3
桃太郎は握り拳を作っていました。
三人達に文句は言えませんでした。
「よし、行くぞ!」
「....はい」×3
場所は変わって鬼ヶ島付近
「うし、お前らさっさと鬼倒して財宝持って帰るぞ」
桃太郎は三人に向かって言いました。
「...はーい」×3
三匹は元気がありません。
「どうした、お前ら。元気ねぇな」
それもそのはず
「桃太郎さん、この先の鬼ヶ島に鬼がいるんですよ!?
もし、桃太郎さんがかなわなかったら、私達速攻で狩られますよ?!」
そうです。そうなのです。
いつも、桃太郎に返り討ちにあっている彼らは桃太郎より弱いのです。
「あんだよ、そんなことかよww
大丈夫、だいじょーぶ。俺がやられっかよww」
桃太郎は笑いながら言いました。
「け、けど...」
怖がっていた猿は言いました。
ですが
「グダグダ言ってねぇで、とっとと行くぞ!」
桃太郎の怒声で三匹は背筋をピンと立てました。
「は、はい!」×3
鬼ヶ島城門前
「やっぱりやめましょうよ、桃太郎さん」オロオロ
犬がおそるおそる言いました。
ですが、桃太郎は
「もう遅えよ!」
そういうと桃太郎は門を開けました。
「かかってこいやー!!」
大声で周りの鬼たちは気づきました。
ですが、
「ちょっと、うるさいじゃない!」
女の鬼は自分の赤子を抱きながら言いました。
「びえぇーーん!!」
赤子は泣き始めました。
するとまわりの鬼たちが一斉に
「おい、てめー!威勢はいいけどよ、時間は考えろや!」
「そうだ!今の時間、赤子は寝る時間だぞ!」
確かにそうです。
今の時間は夜であり、赤子達は寝始めているかすでに寝ている子が多数います。
「お、おう」
さすがに自分が悪いと思ったのか桃太郎は謝りました。
「す、すまん」
「わかればいいのよ!」
鬼は怒っていましたが、素直に謝られたので許しました。
「また、明日くるから」
桃太郎はそれだけを言い、城の門から出て行きました。
次の日
再び桃太郎は門の前に来ました。
そして、門を開け
「かかってこいやー!」
再び言いました。ですが
「うるせー!!」
「またかよ!!こっちは夜通しで待ってたんだぞ!!」
さすがに半日待たされた桃太郎は怒りました。
「もういい!お前、この島にある宝を狙ってきたんだろ!」
確かに桃太郎は鬼を倒したら宝をもらっていくと手下の三匹に言っていました。
「ま、まぁそうだけど...」
桃太郎は鬼を退治してから宝を頂く予定でしたが鬼たちが
「もう来なくていいから、これ持って帰りな!」
鬼たちは押し売りのような感じで桃太郎たちに宝を渡しました。
「え、お、おい!!」
「二度と来るな!」×多数
そういわれ、桃太郎たちは門の外に出され
バタン!!!
門は閉められました。
「...なぁ、どうする?」
桃太郎は言いました。
「このまま、宝だけを持って帰るか?」
桃太郎はおじいさんとおばあさんに自分は鬼を退治してくるといいここまで来ました。
ですが、鬼を退治せず、宝だけを押し売りのような感じでもらったのです。
桃太郎は鬼を退治できず、イライラしています。
「はぁー、もういいや、
宝だけ持って帰るぞ」
「え、いいんですか?
鬼も退治していないのに」
犬はそういったが
「うるせぇー!!」
桃太郎は拳をつくり、殴った。
雉に
「ゴフェッ!!」
「あぁ、雉くーん!!」
「お前らが黙っていれば、問題なんてねぇんだよ」
最悪な男である。
「まぁ、もらい物は素直にもらっとくもんだww」
最悪である。
「おら!とっとと宝もって帰るぞ!」
三匹の近くにあった石を蹴りで粉々にし、脅した。
「は、はいー!!!」×3
こうして、桃太郎は鬼を退治せずに宝だけを持ち帰り、おじいさんとおばあさんに宝を渡して宝を動物たちと自分たちで分配し、仲良く暮らしたとさ
めでたし、めでたし。(三匹は桃太郎に言われた通り、何も言わず、三匹と桃太郎だけの秘密になりました)
ネタがわかった人にはわかるはずです。
それでは、失礼しました。