魔女のメイドに弾丸を
ある日の城の中。
メイドは一人城の掃除をしていた
城主は「狩」に出ているようだ。
一人黙々と掃除を続けるメイド。 とそこに
「メイドさーん。いっぱい狩ってきたよー」
重い扉の開く音とあどけない城主の声が城に響いた。
「お亡くなりくださいませ、城主様」
「うんただいまってこーら。お帰りなさいませ風にとんでもないこと言わないの」
大きな袋を持って城の中に入る城主。
袋をメイドに渡すと
「はい。今日はこれでお料理作ってね」
と、満面の笑顔で言った。
メイドはしばらくの沈黙の後に、かしこまりましたと頭を下げた。
「あ、毒は無しだよー。胃に何か入れないと
僕飢え死んじゃうから」
「..貧弱 ....城主様、折り入って相談があるのですが」
食堂へ食材を運び終わると、真剣な顔(それが普通なのだが)で
戻ってきた。
「うん、さっきの無礼な言葉はもう慣れてるからいいとして
なぁに?」
「わたくし、マシンガンが欲しゅう御座います」
「却下」
城主の即答である。
「何故で御座いますか」 「僕が殺される回数が増えるからだよ」
「でも流行に乗り遅れます」 「そんなトレンドはいりません」
そもそも流行ってなんか無いよ、と呆れたように城主は言った。
「...あのさぁ、何でメイドさんは僕を殺すのさ」
またしばしの沈黙のあとメイドは言った。
「不死になりたいから、です」
城主は何だそんなことかと言うように、ドカッと椅子に座ると
「メイドさん魔法で不老だし、同じようなもんでしょーよ」
「はい、何とかそれで伸ばしておりますが、先が見えませんのは
不愉快なのです。もう宜しいでしょうか、この会話も不愉快です」
珍しくメイドが感情を出した。
「そんなに無愛想にしないでよー。ま、いいや。ご飯宜しくね」
「マシンガンは自分で作ります」
「作れるんだ!もうそれ魔法とか関係ないよね?こないだの
ライフルも自作でしょ!僕のお腹に洞穴あいたよ?強いって」
メイドは面倒くさそうにアサルトライフルで城主の頭を吹っ飛ばす
そして食堂にて食材を眺め、一言呟いた。
「人肉も、飽きました」