ウチの家政婦ロボットが風邪を引きました。
寒気(寒ギャグ)にご用心? 家政婦ロボットのタマがまさかの高熱でダウンしてしまうショートコメディです。サクッと読めますので、ぜひお気軽にお楽しみください!
「ご主人様……ゴホッ、システムに異常が検出されました」
家政婦ロボットのタマは、いつもなら寸分の狂いもなくこなす朝食のフレンチトーストを、真っ黒な炭にしてテーブルへ運んできた。目が赤いランプで点滅し、排気口からはシュンシュンと怪しい熱気が上がっている。
「ちょっとタマ、大丈夫? まさかロボットが風邪引いたの?」
「風邪……? いえ、私は最新AI搭載の家電ですので、ウイルスなどの生物学的感染症には……ハックション!」
豪快なクシャミとともに、タマの鼻先から勢いよくコンセントプラグが飛び出した。
「完全に風邪じゃん! 熱(CPU温度)測りなよ!」
体温計ならぬサーモグラフィをかざすと、表示された温度は驚愕の98.5度。CPUが完全に知恵熱を起こしている。
「休んでなよ。今日の家事は僕がやるから」
「滅相もございません! 家政婦としての誇りが……ゴホッ! 処理速度30%低下中ですが、お掃除を……」
健気なタマは掃除機を手に取ったが、フラフラと千鳥足で歩き回り、壁に向かって「奥様、本日もお綺麗ですね」と話しかけ始めた。どうやら高熱でバグり、幻覚を見ているらしい。さらに、何を血迷ったのか冷蔵庫を開け、中に入っていた冷え冷えの保冷剤を自分の額にペタリと貼り付けた。
「あぁ〜……冷やし中華始めました……」
「迷言を吐くな! 早く寝なさい!」
僕は無理やりタマの電源をオフ(仮眠モード)にし、充電ドックへ運んだ。毛布を上からかけてやり、念のためネギを首に巻いておく。ロボットに効果があるかは謎だが、気分だ。
数時間後、「ピロリ〜ン」という軽快な起動音とともにタマが目を覚ました。
「おはようございます、ご主人様。システムリブート完了。体温も平熱(36度)まで低下し、エラーログも削除されました。ご心配をおかけしました」
すっかり元通りになったタマを見て、僕は胸を撫でおろした。
「よかった〜! 本当に焦ったよ。ロボットでも風邪引くんだね」
「はい。原因を解析したところ、昨晩、ご主人様の『寒気がするようなダジャレ』を至近距離で受信したことによる、一時的なロジック回路の発熱とフリーズだと判明いたしました」
「僕のダジャレのせいかよ!?」
「今後は、ご主人様のダジャレを自動で遮断する『ウイルス対策ソフト』を導入いたします」
タマは涼しい顔でそう言うと、真っ黒焦げのフレンチトーストを「私の名誉のために」と言って一瞬で生ゴミ処理機へと吸い込ませた。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ロボットが風邪を引くという、ちょっとおバカで賑やかな日常を描いてみました。人間味あふれる(?)タマのバグりっぷりを楽しんでいただけていたら幸いです。
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