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ー小金井ー

 ふとした瞬間、好意の視線を感じる。また、あいつか。

 丸井章子(まるいしょうこ)

 とても、同い年とは思えないほど老けた顔をしている女子だ。そのため、

「もしかして、年齢詐称してるおばさんじゃない?」

「おじさんにも見えるよね」

 と陰口を叩かれ、せせら笑われていることを丸井は知っているのだろうか。いや、絶対知らないと思う。

 この前など、何を勘違いしているのか、露出の多い紫色のワンピースを着て、髪の毛をローズ臭い油まみれにした状態で登校してきて、まるで沼から出てきたばかりの妖怪そのものだった。あれで、お洒落をしたつもりなのだろうか。あの姿を一ミリでも可愛いと思っているのだとしたら、寒気がする。やっぱり、女子は天然巨乳美女に限る。

 小金井は自然と、自分の斜め前右に着席している高木へ視線をやる。いつ見ても可愛い高木は、次の授業で使う数学の教科書に目を落としていた。そう言えば、この前、数学が一番苦手な教科だと友達と話しているのを小金井は小耳に挟んだことがある。

 真面目だな。

 小金井は数学が一番得意だった。叶うならば、自分が家庭教師のように高木の隣に座って手取り足取り教えてあげたい。

 そんな妄想をしてしまう程、小金井は高木に夢中だった。確かにここ最近、四六時中、高木のことばかり考えている。我ながら、一体どうしてしまったのだろうか。

 胸が苦しくてモヤモヤする。いっそのこと、告白してしまおうか。そうすれば、幾分か胸がすっきりするだろう。しかし、怖くてどうしても尻込みしてしまう。万が一にも、振られる可能性を考えると身動きできない。以前は、好きな女子には積極的に告白できたのに、今回に限っては一体どうしてしまったのだろう。それだけ、高木への気持ちが本物なのだと小金井は思う。

 未だ、好意の視線を感じる。小金井が振り返ると、こちらに向けられていた丸井の目がさっと伏せられる。いつ見ても不細工な丸井の頬は、ほんのり林檎のように赤らんでいた。

 小金井は小さく溜め息を吐いた。

 俺、丸井のことドブスだし動きがキモ過ぎて嫌いなんだよねー。俺と釣り合うような可愛い女子から好かれたい。

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