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ータダシー

 タダシと言う名前は、一世を風靡した伝説のロックバンドのボーカリストの名前からとった。かと言って、タダシ自身がそのボーカリストのファンな訳ではない。ファンなのはタダシが中学一年生の時に、生まれて初めてできた彼女の方だった。

 ハツカノとは、互いに未経験だと言うこともあって最初はぎこちなかったけれど、慣れてしまえば性的好奇心が強いもの同士燃え上がった。一日のセックスで六回以上することはざらだったし、放課後の学校の誰もいない教室で行為に及んだこともあった。結局、三年間付き合った末、節操のないタダシの度重なる体の浮気が原因で別れた。それから多くの女と寝たけれど、単純にハツカノの顔が好みで未だに忘れることができない。

 タダシは中学校を卒業して、フリーターとなり、近所のカラオケ店で働きだした。ルックスの良いタダシは、すぐにバイト仲間ができ、飲み会にも招かれるようになった。そこで、好意を寄せてくれる女の先輩がいて、タダシは告白され、交際するようになった。交際一日目で、タダシは女の先輩をラブホテルへ誘いセックスした。女の先輩は、年の割に処女であったようで、思ったより楽しめなかった。タダシはすぐに興醒めした。新しくバイトで入ってきた後輩の女の子に告白されたことをきっかけに、女の先輩を捨てた。女の先輩は、タダシとの恋愛を引きずって職場で泣くなど精神に不調をきたした。フレンドリーだったバイト仲間達のタダシへの態度は一変し、タダシは辞職に追い込まれた。

 それから、バイトを転々としたが、タダシは持ち前の容姿の良さから女には不自由しなかった。わざわざタダシからアプローチしなくとも、女の方からやって来て、まさに引く手あまただった。

 成人するまで、数えきれないほどの女達と体の関係を持ちながらも、タダシの性欲は尚衰えることを知らなかった。タダシはホストを本業にしながら、悪友の誘いでAV男優の仕事にも手を出し、二足のわらじを履くようになった。こうしてタダシは、様々な種類の女達と接するようになった。しかし、問題もあった。ホストクラブの女性客やAV女優は、上辺はお洒落に着飾っていても中身の蓋を開ければ一様に病んでいることが多く、そんな女達の相手をするのは骨が折れた。

 そして、再びの悪友の誘いでタダシは覚醒剤に手を染め常習となり、警察に捕まって刑務所で一年半を過ごした。出所して、タダシの周りの環境は大きく変わった。元々不仲だった両親からは完全に勘当され、まともな友人知人達は全員離れていった。残ったのは、のちに前科があることが判明した悪友のみだった。

 タダシは、シャバの空気を存分に吸い込んでは吐き出すのを繰り返して確信した。俺には女が必要だ、と。

 援助交際に見せかけた、ただのヤり捨ては金のないタダシにはぴったりだった。しかし、いざ出会い系サイトを開いて始めてみると、予想以上に未成年者が多くて驚いた。おまけに、タダシの苦手な処女までいた。

 今回のヤり捨て相手は、女子高生の“めい”という名前の女の子だった。メールに添付された写真を見る限り、クラスで二番目に可愛いくらいの親しみやすそうな顔立ちをした女子高生だった。しかし、現れた女の子は陰気な雰囲気の中性的な顔立ちをしたただの勘違いデブスだった。明らかに男から愛された経験のなさそうな挙動と清潔感のない油ぎった髪質を見て、タダシは今回は外れだと心の中で舌打ちした。外れを引いた時はどうすればいいか、あらかじめ決めてある。二、三回ヤって骨抜きにしてから、金を引っ張り出せばいい。

 時は金なりだ。俺の貴重な時間を割いて会ってやるのだから抜きにくい地味ブスから金をもらうのは当然だ、とタダシは本気で思う。

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