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約束

あんな魔法見たこと無い。


今でも心臓がドキドキしている。


あのときの風、音、衝撃。すべてが心を掴んで離さない。


次第に足取りが早くなっていく。


しかも、あいつ、名前なんだっけ?


シラ、、えぇぇ、、あっ!!シラハガネだ!!


普通の魔法なら倒すことのできない強靭な体。


あいつを一撃で倒せる魔法使いなんて、、、


絶対、有名な魔法使いじゃん!!


竜殺しのオルグ?


いやっ、、、


でもどうだろう?


(サイン!! いやっ!! 握手だけでも!!)


こんなチャンス滅多にない。


これを逃したら今後、絶対に合うことはできない。


心が弾む。


絶対にみんなに自慢してやるんだ。



(あれ?)




さっきまで見えていた後ろ姿が消えてしまった。



確かに、確かにあそこを歩いていたはず。


なのにどうして?消えるなんてことあるか?


最後に見えた場所にたどり着いても彼の姿は見えない。


あたりを見渡しても、、、



ん?


こんなとこに道あったっけ?


少し離れた林に獣道ができている。


薄暗く、今にも何かが出てきそうだ。


風が吹き、葉がざわめく。


空がうっすらオレンジ色に染まっている。







「行くか」







足を踏み入れる。


落ち葉がパキパキと鳴る。


「あっ!!」


遠くに人影が見える。


「すみませーーん」


男は止まり こちらを振り返る




「ん?僕になにかようかな?」


男は微笑みながらそう答えた。


白髪であごひげが生えている。


「あの、、、魔法使いの方ですか?」


男はきょとんとした顔をし、何かを理解したかのように話し始めた。


「あぁ、そうだ。僕はアダム・クラークというものでね。」


(アダム・クラーク?どこかで聞いたことあるような、、、)


男は頭を掻きながら少し間を開け、質問をしてきた。


「君は魔法が好きなのかい?」


「えっ、そりゃそうですよ!!魔法使いはこの街の英雄!!嫌いな人なんていませんよ!!」


そう答えるとおじさんは


「わっはっはっ!!」


と声を上げ笑い始めた。




キョトンとしていると、おじさんは目を細め


「いやぁぁ、すまない。そうか、魔法が好きか、、、」


と呟いた。


(悪い人じゃない、、、かな)




「あのっ!アダムさん」


「ん?なんだい?」


「さっきの魔法を見せてもらえませんか?」


すると、アダムさんは申し訳無さそうに答えた。


「いやぁすまない。魔法を見せたいのはやまやまなんだが、、、

今日はちょっとなぁ。あっ!でも、明日にでも来てくれたら見せてあげれるよ。」


「本当ですかっ!!」


あんな強烈な魔法を見れるなんて!!


「今日は遅いから帰ったほうが良いかな」


「はいっ!!また明日来ます!!」


「あっ、そうそう、僕とあったことは秘密にしておいてくれるかな?」




「えっ、まぁ、、、良いですよ」





なにか裏があるなぁ、とは思ったがそれ以上は聞かなかった。


少し怖かったが、彼の表情を見るとそんな思いもどこかに吹き飛んだ。


「それじゃあ さようならぁぁ!!」


そういって僕は帰路についた。


「すごいや、あんな魔法使いと知り合いになれるなんて!!」








「ただいまぁぁ」


「〇〇遅かったじゃない」


「ごめんねぇ。あっ魔物見たよ」


「えっ嘘、どこで?」


「アレクさんちあたりの雑木林、、、」


あれ?そういえば帰るとき、、、







あいつ








いなかったよな。




「まぁ無事で良かったわ。夕飯の支度できてるから、冷めないうちに食べちゃって」


「、、、はぁーーい」


(まぁぁいっか)

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