表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜 ☆litとInsane☆  作者: 犬冠 雲映子
きりとりせん(多多邪の宮の悪趣味城塞編、etc)
87/169

じはく ざい(第12話)

多多邪の宮さん迷宮シリーズです。

自白剤と自白 罪をかけました。

 廊下を歩いている間、偽物のギャビー・リッターは朦朧としているのか脱力している。担がれているのがやっとなのか、あれだけひたすらにしていた状況把握もしない。

「…ちくしょう。俺だって、こんな事したくて下界に。でも、あれ、あんな遊園地にいるよりは…あれ?」

 意識がぼんやりとしているのか、彼女はブツブツ呟いていた。

「遊園地?ああ、無明のカルーセルかい?」

「そうだよ。誰もいねえ訳分かんねー遊園地で働いてんだよ…メリーゴーランドだけ回ってて、気味悪ぃし。しかもアレは、生命体のエネルギーを餌食にして──」

 そんな遊園地があるとは知らなかった。しかしこれはいい機会だ。

「ギャビー・リッターもそこにいるんか?」

「ああ、俺が殺したんだ。肉体を殺して、自由にしていいから、コレクションだけもらって。魂は、遊園地に」

「そうか。お前、コレクターなん?」

「ああ、背骨が。背骨を集めるのが好きで」

 とんだシリアルキラーだ、と内心、ミハルはツバをはく。そんな訳の分からない遊園地のために真のギャビーは死んだのだ。特に期待していた部下でもない。しかし生い立ちが、死に際が無惨なものだったのは知っていた。

 そんな娘はまた苦しみながら命を落としたのだ。

「お前は遊園地から生まれたのけ?」

「いや、俺は昔、アメリカで…普通に、趣味を楽しんでただけなのに。シリアルキラーって騒がれて、死刑にされたんだ。それで目が覚めたら遊園地で働かれてて…」

「なるほどな。お前も、ここの奴らと同じやんね」

「…はぁ?」

 眉をひそめた彼女に、こちらは適当にあしらった。

「まーいいや、しばらくぼんやりしとけ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説家になろう 勝手にランキング

かなりランキングに向いている作品とは思えませんが、ぽちィーーー!!!としてくれるとマンモスうれピーーーー!!です。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ