表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜 ☆litとInsane☆  作者: 犬冠 雲映子
きりとりせん(多多邪の宮の悪趣味城塞編、etc)
80/169

NPC のん・ぷれいやー・きゃらくたー(第5話)

多多邪の宮さん迷宮シリーズでええす!

バティさん初登場!!

「人?宴会でもしてんのか?」

 ギャビーが気味悪そうに言う。祭りの最中の楽しそうな笑い声や音が聞こえた。どんちゃん騒ぎが逆に気味が悪い。

 瓦屋根や壁が崩壊しつつあるのに。

「行方不明になった人たちがいるのかもしれん」

「ああ、なるほどな。あ、」

「ん?どした?」

 彼女が鳥居を見返すと、悪趣味なネオン看板には『()()()()()()』と記されていた。

「踏鞴神社ってのも偽造だったんか〜」

「そこまでして隠したいのか?てか、あの…、怪しいホテルじゃないよな?!」

 ジタバタし始めるスパイに笑いが止まらない。

「おいおい。忍び込んどいてハニートラップの手法とかも知らないのか?スパイさんよ」

「俺はそんなのをするために下界に来た訳じゃ…もうヤダ。帰りたい…」

「そこまでして獲物を誘い出すほど小物じゃないんやな?おまいさんは。恵まれたヤツやの」

 睨まれたが、それは真理だ。

 何人かスパイを見てきたから分かるが、悲惨な結末ばかりだった。コイツはいつまで伝書鳩の中で袋叩きにされないだろうか?

「遊郭みたいな場所っー事かね。ここは」

(多多邪の宮もそうとうアレな頭しとるわ)

 娯楽。享楽。悦楽。

 人間の好きなモノを容易く提供する。浅ましく、傲慢不遜なやり口。吐き気がする。

「はー、とっと爆破しちゃおうぜ」

「できるかなぁ?君に?できるのかなぁ〜?」


「ガウガウ!爆破するならやってみやがれ!ガウ!」


 どこからふざけたセリフが聞こえ、二人は辺りを見回した。

「多多邪の宮の野郎!良くも放置しやがって!ガウ」

(初っ端から変なんでてきたなあ)

「どこにいる?!」

「お前のモニターを出せ、ソレなら出現できるガウ」

 ギャビーは狼狽えて、右手首を操作する──とノイズ混じりのモニターが現れた。『故障中』と書かれた画面に謎の人物が出てくるではないか。

「リクルートスーツ軍団か、おまいさんは」

「そうだ。僕はバティ。多多邪の宮の下の階層だが、あの甘ったれた女よりは上ダガウ」

「しかしそのキャラ作りはなんや」

 軍人のような格好をしているが、どうもギャップが激しい。

「野郎に呪いをかけられて変な口調になったガウ!」

「…内部分裂してるじゃねーか」

「仕方ないガウ!アイツが変だからガウガウ!」

 画面をバンバン叩いているが、こっちはどう反応していいか分からない。

「僕を解放するために、手伝って欲しいガウ」

「悩むなぁ。おまいさんが解放されたら、危険因子が一つ増えた事になるんよ」

「酷いガウ。解放したら多多邪の宮とパーラムをビンタするガウ」

「あー…」

 封じられた時から時代が止まっているようだ。ミハルは考えあぐねた結果、やんわりと社交辞令をしておく事にした。

「解放できたらな!オイラたちも生きて帰れるか分からんし、そんときはそん時よ」

「それは困るガウ」

「とりあえず見学してみるけん。またな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説家になろう 勝手にランキング

かなりランキングに向いている作品とは思えませんが、ぽちィーーー!!!としてくれるとマンモスうれピーーーー!!です。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ