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虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜 ☆litとInsane☆  作者: 犬冠 雲映子
きりとりせん(多多邪の宮の悪趣味城塞編、etc)
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いぎょう いじょう じょうさい(第4話)

多多邪の宮さん迷宮シリーズですう!

 鳥居をくぐると、奥にこれまた巨大な建築物が現れた。結界で隠していた訳でもないのに鳥居を境に突然現れたのだ。

(さすがは多多邪の宮。桁違いやけん)

 竜宮城を思わせる竜宮造りの建物を母体に増築を繰り返し、違法建築の城となっていたで。入母屋屋根が幾重にも、四方に向けられている。

 大きさは大型の観光ホテルくらいであり、5階建て以上はあった。

 ミハルはいったん引き返し、神域から出て鳥居からではなく横から建物を探してみる。

 あるのは良く見かける小さい社殿だった。屋敷神の社規模の『踏鞴神社』へ先にギャビーがたどり着き、観察している。

「鳥居の割に小せえな…」

「崩れそうやん。平成から令和ってまだ三十年くらいしか経ってないのになぁー」

(カモフラージュか…こすいなぁ)

 結界らしさを匂わせないほどの技量に、内心ムッとした。技としてではなく天性の能力なのだろう。

「つーか、ギャビーちゃんは鳥居くぐらないん?」

「えっ。あ、門をくぐるのが苦手で」

「吸血鬼かよ〜」

「俺の職場に繋がってたら嫌なんだ…あとピンクだし…職場を彷彿させんだよ…」

(そこまで嫌がるなんて…パワハラ受けてるんかな?)

 渋い顔をしている彼女を前に『無明のカルーセル』のある職場を考えてみる。

 遊園地だろうか?無明、とつくのだからマイナスなイメージが付きまとう。地獄に似た何かなのだろうか?

(この世に地獄も天国もない、そのはずや)

 ミハルはウーム、と悩んだ末、先程あった建物の話をした。

「どんな仕組みでそうなってんの?」

「神さまパワーなんよ、きっと」

「ますますくぐりたくなくなってきた…嫌だァ…」

「竜宮城みたいやったけん。ギャビーちゃん好きそうやね」

「竜宮城?あ、ああ、浦島太郎の」

「まーだ門をくぐるの躊躇しとんかい!」

 小さな体を捕まえて担ぐと、ズカズカと歩き出した。

「オイッ!やめろよっ!やめろーーーーーー!!!!!!!」

 予測不可能な動きをしながらジタバタしてみせるが、背丈の低く細身の彼女は容易く鳥居の内側まで連行された。

「な、なんじゃこれっ?!」

「多多邪の宮の隠し機能やよ」

「地球の上級クラスの化け物か?!」

(宇宙にいもいるんか?コイツ、謎だらけやん。まー、勝手に身の上明かしそうだけん。黙ってやるわ)

「確かに上級かもな。主体になる存在から色濃く異能を受け継いでやがる」

「わああ!!帰る!俺はそういうのを観測するために下界に来たんじゃねええ!!」

「落ち着き。見てみ?人がおる。怖い所じゃないんよ」

 先程までヒッソリと佇んでいた城砦に明かりが灯り、ワイワイガヤガヤと楽しそうな声がしていた。

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小説家になろう 勝手にランキング

かなりランキングに向いている作品とは思えませんが、ぽちィーーー!!!としてくれるとマンモスうれピーーーー!!です。

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