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ゆうやけ ちゃいむ ならして

 最近、洞太 乎代子は真冬の早めな夕方を告げる市内放送にウンザリしていた。あの全国的に有名な夕焼けの音楽である。

 始まりは救急車の音がうるさい茜色の中、スーパーの裏にあたる路地を歩いていた。通りで何やら起きたようだが詮索するのも悪趣味だ。丁度夕方の四時半。あのチャイムが鳴り、ああこんな時間かと再認識する。

 そうして何事もなかったように廃墟化したアパートに帰る。

 しかし。

 それからチャイムの音に追われる事になった。

(あー、夜中にも仕かけてくるのはつれえわ〜〜)

 午後四時半を告げるはずのチャイムが午前二時に響いている。もちろんスピーカーから流れていないのは承知で、これは幻聴かこの世の者でない部類のイタズラかと判断しかねていた。

 狐狸の類いなら罠でもしかけてとっちめてやろうか、とも思うが、今の所正体が掴めない。

(やっぱりあの日に何か起きたんだろうな。だけど私には関係ないし)

 救急車の音がしていたのだから、事故がおきたのかもしれない。乎代子は現場からかなり離れていたはずである。何の因果かがあろうか。

「うおおおおん。お腹空いた〜」

 いきなりパビャ子がドアを開けて訪ねてきた。

「んん?何の音?これ」

「あんたにも聞こえんの?これ」

「今はァ」

 ありがたい事に茶髪オンナの無意味名 パビャ子はキョロキョロと音源を探した。野生動物のような輩だ。

 すぐ見つけてくれるかもしれない。

「ずーっと聞こえて参ってんだよ」

「なんだろ〜。こっちから聞こえてくる」

 ヤツは耳を澄ますと、廃墟化しているアパートの隣の壁に張りついた。

「えっ。ガチの音だったのか…」

「いや、ちょっと隣の部屋見てきてよ」

「はあ?寒いからヤダよ」

「じゃー、壁、壊しますか!!」

 腕をブンブンと回し始めたので慌てて布団から飛び出るや、寒さに凍えながら通路に出た。

「あれ、音がしなくなった」

 うるさいくらいに鳴り響いていた四時半を告げる音楽がピタリと止んでいる。まさかヤンキーか気が狂った人が音を鳴らしていたのか?

「しゃあねえ。すいません、開けますよ」

 隣の部屋のドアを開け、同じ間取りの景色を見やる。すると部屋の中央に手足をもがれた子供の死体が置かれていた。

「うわっ、…え?いつから?」

「すごー。防腐処理されてる」

 パビャ子がズカズカと不法侵入をし、真っ白な肌の子供を見た。服を着せられてはいるが手足はない。リアルを極限まで追求した人形のような生々しさがあった。

「…誰が…」

 いつの間にか、隣にいた死体に困惑する。廃アパートに人が出入りするのは相当悪目立ちする──自分は不思議と注意された事は無いが──不審な音や人物がいたら、気づくはずだ。

「とりあえず通報しよう」


 警察が到着し、二人は疑われたがしばし時間が経ち、騒がしくなった。

 道の脇に捨てられていた子供の腕と脚の持ち主ではいか、と警官たちが話し合っている。それとこの子を知らないかと尋ねられた。

 数ヶ月前に行方不明になった子供だった。訳あって祖父母宅に住んでいた子らしい。帰宅後、祖母に天狗に似た人のお家に遊びに行くと言って姿をくらましたという。

「知らないっすね」

「ね」

 二人の反応をジロジロと観察すると、警察官は疑心暗鬼に返事をして、なら、と釈放してくれた。

「なんか、変な事件?だったな。天狗に似た人のお家って何だろうな…」

 やはり子供は見つけて欲しかったのだろうか。この世の者でない部類に喰われてしまったのだろうか。なぜあのチャイムの音なのか…。

 知る由もない。

「早く犯人捕まるといいね」

 モグモグとそこら辺に生えていた白いキノコを食べているパビャ子に呆れながらも、しばらくどこに泊まれば良いか…と考えていた。

何気なくネットサーフィンをしていたら、そんな解釈があったのか…となり、自分のイメージを重ねて書きました。

信じるか信じないかはあなた(ry な話なのでしょう…。

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小説家になろう 勝手にランキング

かなりランキングに向いている作品とは思えませんが、ぽちィーーー!!!としてくれるとマンモスうれピーーーー!!です。

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