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よるのうたごえは かんき か ひめい か

 洞太 乎代子は廃墟化したボロアパートで、のんびりツマミとアルコール度数の高いチューハイを飲んでだらけていた。

 季節はいきなり夏から秋を通り越し、冬へ切り替わった。加えて寒暖差の激しい日々が続いている。体は悲鳴をあげているし、相乗効果で精神的に疲労していた。

「あー、そろそろ窓しめっかな」

 微妙な暖かさは夜になると急に冷え込むので、窓を閉めようとする。と、少し遠くにある地元民から理由は不明であるが『防衛道路』と呼ばれた道路から呑気に爆音で歌うバイカーが通っていくのを聞いた。

 この午後九時から十時の時間帯になると、だいたいの確率で通り過ぎていく。多分、仕事帰りか何かで走っていくのだろう。

(いっつも陽気で良いよな〜。何歌ってんだろ…)

 高速で通りすぎていくため何だか聞き取れない。まあ、夜な夜な歌いながら運転している輩は珍しくないのであまり気にしていなかった。


 ある日、乎代子はコンビニから迂回して例の通りで信号待ちをしていた。意味は無い。いつも歩いている方と距離が変わらないので、たまにはこちらを探索しみたくなったのだ。

 まだ夜中でもないのに人通りもなく、通過する車も少ない。

 よくやっているホルモン焼肉屋が今日はシャッターを閉めているせいか、さらに人がいなかった。

「あー…だる」

 独り言を呟いて、コンビニで買った食材をみやり明日は工場勤務かと曜日を確かめた。

 その際、うるさいバイクが走ってきて何やら歌っている。あの毎回呑気なバイカーだ。

 乎代子は初めてお目にかかると、彼を見た。そして少しギョッとした。

 ヘルメットはしておらず、顔は転倒した際に摩擦したせいかひしゃがり上顎はえぐれている。砕けた頭蓋骨を覗かせながら、何やら叫んでいるように見えた。

 歌声だと思っていたのは事故を起こし、痛みを顕にした苦悩の雄叫びだったのだ。バイクだけが生きているかのように突っ走っていく。

 あっという間にバイクは通り過ぎていき、乎代子はため息を着く。またいつだか彼はこの道を通るだろう。

(私しか聞こえて無かったのかも、か)

これは私の実体験を参考にして書いてみたお話です。

ある時間帯になると、何かを大声で喋り?ながら通り過ぎていくバイク乗りがいるんですよ。

最初になまめええん、て聞こえたので「生麺」って名前つけてます。

多分お化けでは無いです。

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小説家になろう 勝手にランキング

かなりランキングに向いている作品とは思えませんが、ぽちィーーー!!!としてくれるとマンモスうれピーーーー!!です。

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