表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜 ☆litとInsane☆  作者: 犬冠 雲映子
きりとりせん(ミス(Miss)ちゃんと南闇くんの旅、etc.)
145/154

(この人は、人間と共存しようとしたのかな?)

 この世の者でない部類は食人をする。推測ではあるがそれを良しとする人もいて、ヒトリ雨と医者は過ごしていたのだらうか?

(私たちは共存できない…だって、お母さんとお父さんは──)

 ミス(Miss)は暗い顔で医者の遺体を眺め、後ずさる。

「…ミス(Miss)さん、まずは木を燃やしてみてください」

 そうこうしていると、南闇がとんでもない提案をした。

「ええっ?!燃やしちゃうんですか?!」

「遺体には相当なマジナイがかけられているので、多分、燃やしても大丈夫です」

(根拠は…!?ま、まあ、南闇さん、そういう直感?もってそうだし…)

 深呼吸して意識を集中する。木へエネルギーを向け点火させるイメージを浮かべ、拳を握りしめた。

 ボウッと針葉樹が一気に発火し、夕闇を照らす。木の燃える臭いと奇妙な異臭がした。

「わあ〜〜~!すごい!」

 ヒトリ雨が目を輝かせて轟々と焼け落ちていく物体を仰ぐ。

「君たち只者じゃないよー!!ね!ね!」

「う〜む。やはり燃えませんでしたね…」

「本当だ…」

 彼の言うとおり遺体は無傷で、有刺鉄線は辛うじて形を保っているだけ。どんな技術を施したらこうなるのだろう。

「会いたかったよー!ドクター駒田!」

 生者に再会したかの如く、ヒトリ雨が医者の遺体へハグをした。

「駒田さんとは仲良しだったんですか?」

「利害の一致だね!ドクター駒田は人体実験の後処理に困って、アタシがソレを手伝ってただけ!でも色々教えて貰って楽しかったよ」

(じ、人体実験…)

 生前のお医者はロクな輩ではなかったようだ。コテージ内に吊るされたある種のエバーミング処理を施された死体たちにも納得がいく。

「ミス(Miss)さん」

「はい。燃やします」

 いつものように死体を燃やしていく。脳みそがある頭部だけを保持しながら。

「──お、おい!ボヤが起きてるぞ!」

 神社が見えた方から人の声がして、三人は顔を見合わせた。

「ミス(Miss)さん、続けていてください。今度は僕が殺ります」

 コンパクトミラーからいつもより大きめなマジカルシャベルを召喚すると、南闇が地面に突き刺した。

「うわああああ!あ──が!」

 亀裂から光が走り、暗がりに紛れていた人が絶叫する。

「化け物だ!化け物がっ」

「術士を呼べ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説家になろう 勝手にランキング

かなりランキングに向いている作品とは思えませんが、ぽちィーーー!!!としてくれるとマンモスうれピーーーー!!です。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ