表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜 ☆litとInsane☆  作者: 犬冠 雲映子
きりとりせん(ミス(Miss)ちゃんと南闇くんの旅、etc.)
139/154

パビャこさんとバテぃさん

 バティ──略された名の彼は不意に見慣れた容姿をしたオンナを見かけた。

 多多邪の宮の寵愛を受け、生意気な態度をとる不良娘。パーラム・イター。

 昔から目障りで仕方なかった。どんなに貶しても暖簾に腕押しでニヤニヤしている。それどころか役割を放棄してのらりくらり。

 もし彼女が同性ならば決闘を申し込んでいた所だ。

「ヤツも此岸をふらついていたか。生意気な」

 何やら他人の家の地面を熱心に探し、こちらの殺気にも気づきもしない。

「おい。パーラム・イター」

「ン?ダレ?私はぁパビャ子ナンダケド〜〜~」

 振り返るとイモムシを口にして、手にはたくさんの昆虫を握りしめていた。

「おエぇっ!何だそれは?!そんなモン食ってッ?!」

「ええ?美味しいよ!食べるぅ?」

「食べるか!どうしたんだ貴様っ!気でも狂ったのか?!」

「気?狂ってるよ!!」

 眩しい笑顔で答え、ムシャムシャとムカデを咀嚼する様はおぞましかった。バディは彼女の身にとんでもない事態が起きたのだと知る。

「大変だ!周りの者に知らせなければ──」

「だから私はパビャ子さんなの。ダレちみは??」

「パビャ子…他人の空似なのか?ま、まあ、聞いた事はあるが実際に前にすると戸惑うな」

「パビャ子さんはパビャ子さんしかいませーん。で、お食事中になに?」

 クチャクチャと雑にコガネムシを噛むと、パビャ子はご飯探しに集中しようとした。

「知り合いに似ていたのだ。たが、その様子だと人間違いだ…。すまない」

「いいの!はい、お礼に脂の乗ったミミズをあげる!美味しいから食べてね!」

「うっ、あ、ありがとう…」

 うねるミミズを手にバティは無理やり笑みを作った。虫が苦手ではあるが、無垢な様子に勝てまい。

(厄日なのか…明日は矢が降るかもしれんな)

 パーラム・イターは今もいない。彼岸へ追いやらないといつか破滅してしまう。


 有象無象がこの世にはびこるのを誰が止める?

「…」


 ──どこへに行って遊んでいるのだろう?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説家になろう 勝手にランキング

かなりランキングに向いている作品とは思えませんが、ぽちィーーー!!!としてくれるとマンモスうれピーーーー!!です。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ