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虚無なありきたり 〜別乾坤奇譚〜 ☆litとInsane☆  作者: 犬冠 雲映子
きりとりせん(ミス(Miss)ちゃんと南闇くんの旅、etc.)
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かめむし

 無意味名 パビャ子は昼下がり、例のドアを見つけ、アッと声を上げた。

 空中にコピーアンドペーストされたかの如く浮いた簡素なドア。たまに現れては消える摩訶不思議な現象。

 ゆっくりとドアノブが動き、向こう側から光がもれる。まるで誘っているみたいだ。

 常人ならば魅入られてドアノブを掴む所だが…。

「石ころ、食べさせてみようっ!」

 正気ではないので手始めに石を隙間にねじり込もうとしてみた。

 光が満ちる空間に、そこら辺に落ちていた砂利と石をやると、驚いたドア?は閉まろうと軋みだした。

「させるか〜〜~」

 今度はパビャ子が隠し持っていたオオスズメバチを放り込んでみる。オオスズメバチは閉じ込められていたせいで大激怒していた。なのでブンブン言いながら入って言った。

 ドアの向こうからわずかに悲鳴がした気がしたので、やはりあちらに誰かいるのだと知る。

「次はカメムシだ!」

 お気に入りのカメムシを三匹、ねじり込むと堪忍したようにスゥーッと未知の世界は消えていった。

「チェッ。開けてくれたっていいじゃんケチ!!」

 悪態をつき、カメムシが大量発生している樹木に向かう。たくさん捕獲して次にアレが出現したら入れてやろう。

「ああ、カメムシがあ!」

 カメムシがパビャ子の殺気を察知して飛び立っていった。夏に虫はたくさんいる。気落ちするのは早い。

「それにお腹すいたしご飯探さなきゃ!」

 キノコ、木の実、昆虫。この季節は食べ物がウヨウヨいるのだから。

 カブトムシは見つけたら、乎代子へプレゼントして上げたい。子供たちがカブトムシを虫あみ片手に探し回っていたのを知っている。

 レアリティがあるカブトムシなら、乎代子も喜ぶだろう。

 キノコを見つけ、パビャ子は忙しい昼間を過ごした。

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小説家になろう 勝手にランキング

かなりランキングに向いている作品とは思えませんが、ぽちィーーー!!!としてくれるとマンモスうれピーーーー!!です。

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