表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/153

はっぴーへぶん、を すう

「ををヲ、を乎代子!ぁ、ゎーっ!わ…ど、どうしよう…」

 ラファティは半泣きになりそうな顔で素っ頓狂な動きをし続ける乎代子を眺めていた。

 天井をカサカサと動き回る様はゴキブリかジャパニーズホラー映画の悪霊。一般人にはできないアクロバティックな動作は『洞太 乎代子』ならではの個性であった。

 どうすれば止められるだろう。

「きょほぽーーーーーーーーーーーーっっ!!!?!」

 笑顔のような、憤怒のような、それでいて死人の如しおぞましい顔のまま絶叫する。

「こんばんちゃ〜〜~。あ、え?何これ?」

 勝手にアパートの一室に入ってきた無意味名 パビャ子が、天井の乎代子を見やりあまりの光景に固まった。

(あのパビャ子が固まった…)

 常日頃、おかしい言動を繰り返す方のパビャ子が状況把握できずエラーを起こした様子はもう二度と見れないかもしれない。

「パビャ子!変なタバコ吸わせちまったらこんな事に!!」

「変なタバコぉ?」

 彼女は土足のままあがると畳に放置されし煙をあげているタバコを見て、スンスンとテイスティングした。

「んー、なんか、この世の者でない臭いがする。人間用じゃないよ、コレ」

「そうなのか…やっちまった…」

 人間用でないのなら職場に置いてあるのも頷ける。自らはこの世の者でない部類なのだから。

「どうすればいいんだ?乎代子は一応は人間なんだ…無理やり押さえつけたりしたら複雑骨折しちまうかもしれねぇ」

「そーだね!とりあえず抱きついてみる!」

「お前!馬鹿なの!?」

 カサカサと這い回る女性にリクルートスーツの茶髪女はガシッと、肢体を捕まえた。

「ばあああああああああ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!!!!」

 ジタバタと手足をバラバラにとんでもない動きをすると、人間の声量では無い程の叫びをあげ、音波で脆かった窓ガラスを破壊した。

「はむっ」

 パビャ子はその口にかぶりつくと、良い子にはお見せできない様な熱い口吸いをかました。口吸いというよりはエイリアンがズゾゾ〜、と人間から中身を吸い込んでいるような力強さだ。

「わ、わぁー」

 情熱的な女性同士のお見せできない光景に、ラファティは目を手で塞いだ。彼は外見こそ青年だが中身は子供だった。子供の頃に上司に拾われ、天使になったのだ。

「んべろぉ、んばぁ〜〜~」

「う、ゲボッオヴェえ、あ、あ…あれ…私は…?え?パビャ子?おめー、私に何してんだよ?!」

「キス♡」

「ぎゃあああ!!」

 正気に戻った洞太 乎代子はもう一度ジタバタすると、グッタリと脱力した。

「おえーなんか…すげーだるい、お前、まさかエロい事を?!」

「何もしてませーん。クソザコ乎代子がぁタバコ吸ってトリップしたから治してあげましたぁ。褒めなさい」

「そ、そうなの…?あ、ありがとう?」

 首を傾げながら、彼女は感謝するも鳥肌をさすりたいと悪態を着いた。

「俺は盗みを犯さねえ。そう誓った」

 職場に帰ったら何と言い訳しようか、とどこまでもクズなラファティであった。

「虚無なありきたり」は一応ガールズラブ要素を含む、という作品なので自分なりに乎代子とパビャ子のガールズラブとは?を書いてみました。

そうしたら汚ねえものになりました。

彼女たちはいちゃラブする間柄でもないし、美しい女子同士の愛情でもない…な、と。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説家になろう 勝手にランキング

かなりランキングに向いている作品とは思えませんが、ぽちィーーー!!!としてくれるとマンモスうれピーーーー!!です。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ