【エンディング】
これにて完結。ありがとうございました。
「な、なんだ!? あれは……!?」
「くっくっく! あれぞ、我がジョーカー最終生物兵器、その名も『大怪獣シバラ』だ‼」
その姿は、さながら神々の黄昏に出てくるフェンリル。
ギャラクシーガイを上回るほどの、巨大な体躯は、見る者を絶望に誘う。
「こんなの、どうやって倒せばいいんだよ……!?」
ここにいるヒーローが全員でかかっても勝てるかどうか分からないほどの威圧感を浴び、薫は唖然とするしかなかった。
その時だった。
「ッ!」
「あ、アイコ!?」
あろうことかアイコがシバラに向かって駆け出した。
(まさか、自分を犠牲にする気か!?)
最悪の想像が脳裏をよぎる中、アイコはシバラに向き合い……
「伏せ!」
「ワン!」
……あろうことか、いとも容易く手なずけた。
『ええええええ!?』
まさかの展開に一同、唖然とする。
当然ジョーカー大首領が一番、驚いている。
「な、なぜだぁぁぁぁぁ!? なぜ、我が最終兵器が一介の戦闘員如きの命令に従うのだ!?」
混乱する大首領に、アイコは事も無げに言った。
「だってボクが世話係したんだもん」
「ふぁっ!? どういうこと!?」
曰く、元々、シバラはアイコが拾ってきた柴犬だったらしい。
拾った直後衰弱しきっていた柴犬をプロフェッサー・ハートに頼み治療してもらい、以降、組織を追放されるまで、愛情を持って世話していたそうだ。
「って言うか、こいつ、うちの犬じゃないか……?」
今さら気づいたかのように呟く薫。
見れば、首元につけられた見覚えのある首輪には『タロウ』と飼い犬の名前が、見覚えのある字で書かれていた。
「なるほど、つまりタロウはアイコ君が保護してくれていたんだな」
「これで滝家全員揃ったわけだ」
「いや、納得すんの?」
大らかすぎる家族に薫がツッコミを入れる。
……とにかく、こうして最終兵器も無力化された訳だが。
「ジョーカー大首領」
「あっ、はい」
「なにか言い残すことはあるか?」
周囲から漂う圧。それに屈した大首領は、だらだらと冷や汗を流しながら、熟考した末、一言。
「ご、ごめんちゃい」
「許す訳ないだろうが」
――こうして、悪は滅んだ。
肉片一つ、髪の毛一本、影すら残らず、滅び去った。
だが、正義あるところに悪があり。
彼らの戦いはこれからも続く‼
「薫君、だぁいすき」
「そんなこと言って、タロウの散歩サボったことは許しませんよ」
「ごめんちゃい」
「まったくもぉ~」
ついでに薫君の受難の日々も続くのであった。
◆登場人物◆
【滝 薫】
本編の主人公。面倒見がいい好青年で作中屈指の聖人。
どれくらい聖人かと言えば、勝手にアイス食べられたり、勝手にセーブデータ上書きされたり、勝手にネタバレされたりしても「まったく、もぉ~」で済ませる程度には聖人。
なんなら「雪〇大〇一個ちょうだい」って言われても「まったくもぉ~」と言いながらくれる程度には聖人。
【戦闘員NOI-50(アイコ)】(99/61/88)
本編のヒロインで悪の組織の戦闘員。かわいい。
本来量産品の消耗品だったが、自我に目覚め、その後、なんやかんやあって追放される。
中々図太く、甘えん坊だが、戦闘員らしく、その辺のチンピラなら1分でミンチにできる。
将来的に薫くんと結婚し、一男一女に恵まれ、かすかべ在住のN一家ばりの騒動に巻き込まれる生活を送る。
【滝 猛三/覆面キッカー1号】
薫の祖父で、かつて悪の組織と戦った改造人間。
IQ999で柔道剣道空手・カポエラ・ボクシングまで極めた冗談みたいなスペックを誇る。
現在は世界を旅しながら、30人以上いる後輩たちの手助けをしている。
【滝 隼人/ギャラクシーガイ】
滝家の婿養子。元科学防衛隊の隊員で、なんやかんやあって、宇宙警備隊と融合した。
現在は宇宙警備隊地球支部で働きながら、悪の組織を文字通り『潰し』ている。
【滝 烈子/宇宙婦警オカン】(87/60/82)
猛三の娘で宇宙婦警。昔、なんやかんやあって宇宙警察に務めていた。
ちなみに隼人とはデキ婚で、隼人のコーヒーに【ここから先の記述は消失しております】
【滝 逸子/マギノワール】(90/53/84)
薫の妹で変身ヒロインの黒い方。謎の妖精マスコットンにスカウトされ、書類審査とオーディションを突破し、数々の実績をあげた上で、マギノワールに抜擢された。
ちなみに変身前でもジョーカー怪人一人分くらいの戦闘力はあるらしい。
【赤井 列斗/フリーダムレッド】
主人公の親友で熱血漢。
地球防衛軍にスカウトされ、フリーダムレッドになった。
ちなみに浮気の真相は、マギブランの母親と会っていただけであり、母子家庭で一人娘の彼女との交際を真剣に考えた末「娘さんを、僕に下さい! 絶対に幸せにします!」と、交際の許可を貰いにいったことが真相。
【ハイパーグッドマン/フリーダムブルー】
アメリカでIT社長を務めている。過去遺伝子操作を受けた蜘蛛に噛まれ、変な光を浴び、超人になる血清を投与され、元は神様だった前世を思い出し、現在に至る。なにベンジャーズだよお前。
【シンヤ/フリーダムイエロー】
機動魔神ゲッタリオンのパイロット。思春期真っただ中で、今度は隠していたエロ本を勝手に漁られたことで、世界を壊滅させる未来を作り出してしまう。
【爪猿/フリーダムグリーン】
日本最古の退魔師。元ネタに関して知識がないだけで、決してタイのアレではない。
【マギブラン/フリーダムピンク】(94/53/85)
フリーダムレンジャー紅一点で変身ヒロインの白い方。
ちょっとヤンデレ気味だが、レッドへの愛は誰にも負けない。
【タロウ/大怪獣シバラ】
滝家で飼っていた柴犬。迷子になり憔悴しきっていたところをアイコに保護され、プロフェッサー・ハートに治療してもらう。アイコの追放後は、最終兵器に改造されたとされるが、実際はプロフェッサー・ハートが「どうせ、こんな組織、そろそろ潰れるだろうから、適当にやっておこ」と一時的に巨大化しただけで、中身はあんまり変わってなかった。
だが、闇の力による副作用で、予防接種の時、ひたすら嫌がるようになってしまった。
【秘密結社・ジョーカー】
大首領が亡きあと、プロフェッサー・ハートにより(株)ジョーカーに生まれ変わる。
負の感情を電気エネルギーへ変換する事業を立ち上げ、電力会社と協力して、日本の経済を立て直す。
プロフェッサー・ハートはトップとかめんどくさがっていたので、そのまま研究主任として一線で活躍。社長にはドン・ダイアモンド、副社長にはキャプテン・クローバーと実はコアが無事だったジェネラル・スペードが就任した。
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むしろ、両方やってください!
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