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【Cパート】

新年早々大変なことになりましたが、皆さま大丈夫でしょうか?

状況が状況ですので、今年もよろしくお願いしますとだけ、伝えさせていただきます。

「祖父ちゃんだけじゃないぞ!」

「父さん!?」


 絶賛仕事中のはずの父も現れた。


「私もいるわよ!」

「母さん!?」


 パート中の筈の母も!

 仕事はどうした!?


「ふ、未来の義娘がピンチと聞いてな……」

「ちょうどギリギリ管轄だから、飛んできたのよ‼」

「だから、気が早いって! っていうか、管轄?」


 母の言葉に、なんか嫌な予感を感じる薫。

 事実、その予感は的中してしまうことになった。


「ここは私たちに任せろ‼」

「まさか!?」


 そのまさかとばかりに、父は懐からペンライトを取り出し天高く掲げる。


「変身!」


 その掛け声と共に、父は全長500メートルはあるだろう、巨大な光の巨人となる


「ギャラクシーガイ参上‼」

「うっそだろオイ!?」


 祖父が改造人間だと言うだけでも驚きなのに、父が光の巨人になった事も驚きである。


「父さん!? これどうなってるの!?」

「すまん、今まで隠していたが、実は父さんは宇宙から来た宇宙警備隊の隊員なんだ」

「おいいいいい‼ とんでもねぇ事実ぶっこんできたんだけど!? 俺、宇宙人の子だったの!?」

「厳密にはハーフだ。宇宙人と地球人の間の子」


 自らの出生の驚愕の事実に、アイデンティティが崩壊寸前である。


「母さんとは職場恋愛って聞いたぞ!? それ、嘘だったのかよ!?」

「ん? それは本当だぞ? なぁ、母さん」

「そうね」


 そう言いながら、母は懐から手帳のようなものを取り出し……


「装着!」

「マジで!?」


 瞬間、母の身体は光に包まれ、白銀のパワードスーツを纏った戦士へと変身した。


「宇宙婦警・オカン‼」

「それっぽい名前を名乗るな‼」


 色んなところから、怒られそうな名前である。


「うっそだろ⁉ オイ!? 宇宙婦警ってなに!? なんで地球人が宇宙の婦警になってんの!?」

「昔、お父さんのツテでスカウトされたのよ」

「あの頃の母さんはおてんばでな、心配で目が離せなかったよ」

「そう言う、お父さんは地球の文化に馴染めなくて、お昼はいつも一人だったわね」

「でも、そんな僕を見かねて母さんは優しくしてくれたんだ」

「だって、お父さんは男勝りな私を、女の子として見てくれたのよ……気になって仕方ないじゃない」

「母さん……」

「あなた……」

「唐突に惚気るな」


 親の濃すぎる恋愛話に胸やけしてきた薫である。


「すごい! 日本を誇る三大レジェンドヒーローが揃い踏みしてる」

「そして、お前はこんな時にも呑気だなぁ‼」


 目を輝かせて、いつのまにか近場の文具屋で色紙を買ってきたアイコ。

 その頭をスパンと叩き、ツッコミを入れる。

 空気を読みなさい。


「さぁ! どこからでも、かかってこい!」

「お、おのれ、小癪な! いけ! ジェネラル・スペード!」

「了解! って無理に決まってんだろ‼ 体格差どんだけあると思ってんだ!」


 非情な上司の命令に、敵もツッコむ。

 そりゃそうだ。こんなん、ゾウとミジンコレベルの体格差だもん。

 ちょっと小突いただけで重傷確定。最悪、踏みつぶされて終了だろう。

 無理ゲーである。


「確かに……このままでは一方的な戦いになってしまうな。ついでに商店街も壊しかねないし」

「当然だろ」


 むしろここで暴れたら、それこそ倫理観を疑う。


「仕方ない。ハンデとして肉弾戦はなしと言うことで」

「む……それなら、なんとか……」


 父の提案に、妥協するジェネラル・スペード。

 たしかに、肉弾戦なしなら、勝ち目はある。

 そう考えたジェネラル・スペードは重火器を備えた怪人態へと変身する。

 しかし、その判断は彼を地獄に突き落とす羽目になった。


「じゃあ、改めていくぞ! ギャラクシー・ガイ‼」

「こい! ジェネラル・スペード‼」


 戦いの火ぶたが切って落とされた。次の瞬間――!


「喰らえ! スペードランチャー‼」

「なんの! サテライト光線‼」

「ふん、そんなもの利くわけ熱ぁぁぁぁぁぁぁ‼」


 スペードランチャーを敢えて受け、よろめくギャラクシーガイが、反撃として放った光線がジェネラル・スペードを焼き尽くす。


「熱い! 熱い! 熱いぃぃぃぃぃ‼ ちょ、おま! これ、反則だろぉぉぉぉぉ‼」

「む? 強すぎたか? 商店街に被害を与えないためかつ、キミの重火器が誘爆しない程度のギリギリの威力で放ってるんだが?」

「いや、それでも丸焼けになってんだけど!?」


 たしかに格闘戦はなしと言った。だが、光線浴びせるのはダメだろう。

 まるで、虫眼鏡で蟻を焼く小学生を見てる気分である。


「仕方ない。母さん、ちょっとぬるくしてやってくれ」

「いや、風呂じゃないんだから!?」

「OK! 喰らいなさい、コールド二ウムビーム」


 そう言って、母の掌から放たれた冷凍光線が父のサテライト光線と一つになる。


「なんか、いやな予感がするんだけど?」


 どこかの漫画で読んだことがある。

 たしか真逆のベクトルの魔法を同じ威力で組み合わせることで、対消滅が起こると言う原理があったような。

 その予感は見事命中した。


「あ」


 二人の合体光線はバチバチとスパークしながらジェネラル・スペードに直撃し、ジュっと音を立てて消滅した。


『……』


 周囲に沈黙が立ち込める。

 ジェネラル・スペード、殉職の瞬間であった。


「やっちゃった」

「じゃないだろ!?」

「ジェネラル・スペードぉぉぉぉぉ!?」


 まぁ、仮にも悪の組織の一員だから、覚悟はしていただろうが、だとしてもひどい。



 面白いと思っていただければ、お手数ですが「いいね!」もしくは、下の☆☆☆☆☆から評価ポイントを入れて下されると幸いです。

 むしろ、両方やってください!



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― 新着の感想 ―
[気になる点] >その掛け声と共に、父は全長500メートルはあるだろう、巨大な光の巨人となる ウル◯ラマンは40mですけど……
[一言] 天体制圧用最終兵器〇ッ〇ンの登場が期待出来る展開ですね
[良い点] 2024年最初の更新に感謝
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