【Aパート】
続きです。
「はっはっは! 観念して出てきたか! I―50よ!」
「チッ……うるさいなぁ……マジウザいんだけど、死ねよ。このハゲ」
「大首領に向かってなんだその口の利き方は!? って言うか、口悪すぎだろ!」
「はいはい。さーせん」
「どっちかって言うと、お前の方がウザいわ!」
あっさり、捕まり他の戦闘員に拘束されたアイコ。
だが、心は屈しておらず、大首領に舐めた態度を取っている。
「もういい! ここで、処刑だ! 言っておくが、逃げられると思ってるんじゃないぞ⁉ 今日は貴様を捕縛するために我がジョーカーの誇る大幹部たちを三人も連れてきてるからな!」
「連れてきたって言うか、この間の一斉検挙で自分たちの基地無くなっちゃったから、幹部全員本部にいるだけなんですけどね……」
「って言うか今日、休みだったのに……」
「プロフェッサー・ハートだけズルいよな? 貴重な科学者だからって一人だけ留守番だなんて」
「お前ら、少しはやる気を見せろ!」
まったくやる気を見せない三大幹部。
まぁ、大首領がこれなので仕方ないが。
「もういい! おい! ドン・ダイアモンド‼ こいつを処刑しろ‼」
「ハイハイ……分かりましたよ……悪く思うなよ? これも仕事なんだ」
「くっ……‼」
大幹部の一人、ドン・ダイアモンドがアイコに迫ろうとした、その時だった。
「死ねぇェェェェ‼」
「痛て!?」
「ドン・ダイアモンドぉぉぉぉぉ‼」
薫が猛スピードで自転車に乗って突っ込んできた。
予想外の奇襲にドン・ダイアモンドは体勢を崩してしまう。
「大丈夫か!? アイコ!?」
「薫君!? なんで来たの!?」
「なんでって、決まってるだろ‼ お前を助けにだよ‼」
突然の乱入者に現場が騒然とする中、戦闘員を殴り倒し、アイコの手を離脱する薫。
しかし、たかが自転車で轢かれた程度で大幹部は倒れない。
「あ~、痛て……このガキ、やってくれるじゃねぇか……」
「げっ! 復活するの早い‼」
「ドン・ダイアモンドは組織最強の防御力を誇る大幹部。さっきのは油断しただけ」
「そう言うことだ! 惚れた女を助けに来る漢気は認めるが、その程度で俺は倒せねぇ‼」
「あと、面倒見がいい親分肌。正直、この人が大首領だったら、みんな文句なくついていく」
「おいおい誉めてもなんにもでないぜ?」
「よ! 未来の大首領!」
「え~? そんなこと言われるとおじさん、考えちゃうなぁ~」
「おい! なに口車に乗せられてんだ!? 考えるって何!? 下剋上!?」
「いいから、さっさとそのガキ殺せ!」と大首領に急かされ、ドン・ダイアモンドは二人に襲い掛かる。
「悪く思うなよ兄ちゃん‼ 安心しろ! 死んでも、改造してウチの組で面倒見てやる‼」
「いや、自分、真っ当な仕事に就きたいんで!」
「じゃあ、真っ当なまま死んでいけ‼」
そう言って、ドン・ダイアモンドの魔の手が迫った、その時であった!
「そこまでだ! ジョーカー‼」
「!? なに者だ!?」
突如、何者かが、ドン・ダイアモンドの前に立ち塞がった。
その人物は、薫がよく知る人物……
「祖父ちゃん!?」
そう。薫の祖父であった。
「いや、なにし来たんだよ!?」
「商店街が騒がしくて様子を見に来たんだ。そしたら、アイコちゃんが捕まってるじゃないか。家族として放っておけるか!」
「いや、そりゃそうだけど……」
正直場違い極まりない。
しかし、祖父は空気を読まず、ドン・ダイアモンドの前に立ち塞がった。
「――と、言う訳だ! 未来の孫夫婦に手を出されて黙っている訳にはいかない‼ 彼女に手を掛けると言うなら私を倒してからにしろ!」
「気が早い」
F1レベルの早さである。
そんな孫のツッコミを無視し、祖父は臨戦態勢に入る。
しかし、無謀! あまりにも無謀である。
いくら家族を守るためとは言え、小市民が歯向かって勝てる相手ではない。
……そう思っていた時期がもありました。
続きは近いうちに!
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