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デートのお誘い


仕事が終わり家に帰ってきたレオンを出迎える。

「おかえりレオン!えっと、週末二人で、で、で、で!」

「ただいま。でがどうした?」

レオンが首を傾げる。


「で、出かけよう!!」

言えなかった、デートって言いたかったのに。

散々気合を入れて、誘う練習もしたのに。

首をもたげる。


ちらりとレオンを見ると、私の様子を不思議そうにしている。

「分かった、どこに出かける?」


買い物だと思っている?それか用事?

違う、これはいつもの買い物とは違うのである。

デートなんだから…

「サーカスを見に行こう!」


キリッとレオンを見上げる。

「サーカス?そういや、この辺に来るって騎士団でも話題になってたな」

そう、この街に有名なサーカス団がやってくるのである。


なんだか特別でデートっぽくない?!

ハンナに相談したら首を傾げていたが。


「ソフィア、そういうの好きそうだもんな。見に行こう。楽しみにしている」

レオンがわらって頭を撫でてくれた。


こ、こういうところが結婚して変わったところな気がする。

赤くなった顔を見られないように、下を向いてうなずいた。


ハンナやったよ!誘えたよ!

昼間のやりとりを思い出し、頭の中でガッツポーズする。


今日の昼休み。

私はまたハンナに泣きついていた。

というのも、ヴィオラに聞いた話によりダメージをくらっていたからである。


ハンナがよしよしと頭を撫でてくれる。

レオンとヴィオラに結婚の話もあったと聞いて、どうするべきか迷っていた。


「今すぐ離婚しないといけないのかな…」

肩を落とし、ぽつりとつぶやく。


「いや、しなくていいでしょ!ヴィオラとの結婚話をレオンがどう思っていたかはわからないけど、ソフィアと結婚することを選んだのは彼よ」

それは身分のせいではないだろうか。


先程くらったダメージが再発する。

「もしそうだったら、はっきりソフィアに言いそうだけどね。あなたたち何でも言い合っていたじゃない」

「たしかに…」


結婚前のレオンは特に遠慮のない喧嘩相手という感じだったので、ハンナの言う通りヴィオラと結婚したければはっきりそう言われる気もする。


ハンナがなおも背中を押してくれる。

「せめてソフィアが決めた半年はいいじゃん。もう2ヶ月くらい経っちゃってるから実質あと4ヶ月だけど」


「やばい!もう2ヶ月?!」

頭を抱える。

「なにか進展あった?」

ハンナの問いかけに首を振る。


「ない…怖いぐらいない!」

乗馬くらいしかアピールできていない。

ハンナがちょっと呆れたように笑う。


「デートしてみたら?あなたたちまともにデートなんてしたことないでしょう」

「デ、デート?!」

いきなり出てきた恋人っぽい単語にぴょんと跳ぶ。


レオンとデート。

考えただけで頬がほてりそうである。

「結婚までして一緒に住んでいるのに、変なところ初心ね」


ハンナが優しい目で私を見つめる。

「がんばりなよ、せっかく手に入れたチャンスなんだからさ」

こくりとうなずく。


あと4ヶ月。

その間はどうか許して。

それでダメだったら本当に諦めるから。



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