第七話 久しぶりのシチュー
どうもピースです。
書籍化やマンガ化は目指していませんが、マンガ化したらどんなふうに書かれるのか気になりますよね。
俺は村長の家から宿に帰ると、日々のルーティンを行うために剣を持ち宿の裏側へ出る。
「10.001、10.002、10.003」
なぜか一万回から始まる素振りを行い、腕立てやランニングなどを終わらせる。
そこから特にすることもなく、宿に戻りシャルちゃんがくるのを待っていた。
「コンコン」
シャルちゃんがきたと思いドアを開けに行くが、一応乱雑にドアを開けて誰がきたか確かめる。
「きたわよ」
ドアの前にはシャルちゃんがカゴを持ちながら立っていた。
「待ってたよ、その荷物はどうしたの?」
「どうせなら夜ご飯一緒に食べようと思って作ってきたの。迷惑だった?」
「そんなことないよ、むしろ助かった」
シャルちゃんはカゴから鍋を取り出しシチューを取り分けてくれる。
昨日迷惑かけた酒場で夜ご飯を食べようとしていたから正直助かった。
「いただきます」
「はいどうぞ」
このシチューめっちゃうまいな。
旅に出てからずっと食べていなかった家庭的な味だ。
仲間の三人は自分で作ったりしているらしいが、もちろん俺にはくれない。
「このシチューすごいおいしいね、作るの大変じゃなかった?」
「ありがとう。手伝ってくれる人もいたし、そこまで大変じゃなかったわよ」
「お母さんが手伝ってくれたの?」
「違うわ、そんなことより勇者さんの魔法教えてよ。私魔法好きなの」
「じゃあ食べ終わったら教えてあげるよ」
俺はあっという間にシチューをだべ終えてしまい、手を合わせる。
「ご馳走様でした」
「はい」
ご飯を食べ終えた俺は、シャルちゃんに教える魔法を考える。
「どんな魔法がいい?」
「基礎はおばあちゃんに教わってるから応用的なのがいいわね」
そうなるとあれがいいな。
「じゃあこんなのどうかな?」
親指から小指までの指先に風、火、水、火、水の順番に魔力を流し込む。
「なにそれ?」
「これは指先から魔法を発動させて複数属性を同時に発動させる技術だよ」
一般的な魔法は手のひらから発動させる。
そのため指先から魔法を出すのは少し難しい。
「火と水を合わせて熱湯を作ったらそれを親指の風属性で加速させながら撃つんだ。対人戦の時にこれを覚えてると防具関係なく相手にダメージ与えられる」
「全然できない」
シャルちゃんは桃色の目を光らせ指に魔力を集めようとしているがなかなかうまく行っていない。
「すぐにはできないかな。何回も反復して練習したらできるようになるよ」
この後も俺の知っている魔法をシャルちゃんに教え、時間が過ぎていった。
「そろそろ寝ようか、明日は仲間の前でうまく演技してね」
「任せときなさい」
シャルちゃんのことを少し不安に思いながらも別々のベットで眠りについた。
最後まで読んでくれたあなたに感謝




