第五話 恥ずかしい記憶
どうもピースです。
キャラ制作をするときにミラ、アリス、ソフィアに関しては複数のイラストからイメージを受け作りました。
ちなみにイラストは音楽のジャンルであるNightcoreのサムネを漁りました。
「そちらにお座りください勇者殿」
「朝早くからすみません」
リビングに案内され、座りやすいように引かれた椅子に座る。
「大丈夫ですよ、今お茶をお持ちいたしますね」
村長は俺から見て正面のドアから出て行き直ぐにお茶を持ってきた。
出されたお茶を啜っていると村長が話し始める。
「改めて今日はどのような件でいらっしゃったのでしょう?」
「先程も行った通り報酬の件で話をしたくて来ました」
村長は俺の言葉を聞いて真剣な顔をし始める。
「申し訳ございませんが勇者殿が言われていた金額を支払うことは厳しいです」
「あぁ、あの話は忘れてください。信じてくれないかもしれませんが、理由があってあのような発言をしていました。騙すようなことをしてしまいこちらこそすみませんでした」
「はぁ」
村長が気持ちの抜けるような声で返事をした後、すぐ切り替えたかのように質問してくる。
「その理由とやらをお聞きする事はできますか?」
俺も話したいのは山々だが万が一に仲間にバレてしまうといけないので話すことはできない。
「理由については言及しないでもらうと助かります」
村長は考えるようなそぶりを見せている。
「わかりました。では勇者殿はどのような報酬を求められているのですか?」
「報酬は私に協力してもらいたいのです」
「ほぅ、何を協力してほしいのでしょうか?」
俺はアイテムボックスから契約書を取り出し村長に見せる。
「この契約書は私が相手に触れることができなくなる契約で作られています。その契約書を使って村長の孫娘さんと一晩だけ私と一緒にいてもらいたいのです」
「なぜここまでしてシャルと?」
「シャル?」
「シャルとは私の孫娘のことですよ」
「可愛らしい名前ですね」
「えぇ、自慢の孫娘です」
村長の顔がデレデレして気持ち悪い。
「して、戻りますがどうしてシャルを?」
村長は再び真剣な顔に戻り俺に質問してくる。
「すみません、これに関しても理由は話せないです」
「この件についても話せないのですね。理由が話せないのでしたら協力することは出来ません」
待て!ここで失敗したらまずい!
「お願いします!どうか協力してくれませんか?」
「協力はできません、私にとって一番大事な家族を危険に晒すわけには行きません。この契約書だと勇者以外の人物なら相手方に危害を加えられますよね?勇者殿が誰かに命令して私のシャルを貶めようと考えていたらこんな契約書は紙屑と同じです」
「確かに」
至極真っ当な理由に何も言い返せない。
「私には勇者殿が何を背負っているのかわかりません。しかし、勇者殿が望まないなら絶対に他言しないと誓います。どうか私に聞かせてもらえないですか?」
このまま何も話さず、協力を得られないまま魔王城に出発するくらいなら、全部話してしまおう。
「村長さんお名前は?」
「ポールと申します」
「ポールさん聞いてくれますか?」
「えぇ、もちろん」
俺は誰にも話したことのない腹の中の気持ちを話そうとするが・・・
「その話私にも聞く権利あるよね?」
階段から灰色の髪の女性が降りてくる。
「シャル!どうしてここに⁉︎」
「昨日おばあちゃんが魔法を教えてくれて、そのまま泊まったの。そんなことより勇者さんの声が大きくて二階に丸聞こえだったわよ」
俺は急いでクズ勇者の仮面を被り喋り始める。
「おいおい、女のガキが大人の会話に入って来んなよ」
いきなり俺の口調が変わったため驚いた表情をしている村長とじっとこちらを見つめているシャルちゃん。
「勇者さん流石に無理があるんじゃない」
「何がだよ」
「その喋り方正直痛いよ、恥ずかしくないの?」
「っぐは!」
小さい頃におねしょをしてしまったことがミラにバレてしまい、「汗だよねー」と慰められた時と同じくらい恥ずかしい。
「勇者殿、もう遅いと思います」
「確かにそうですね。普通に喋らせてもらいます。さっきはごめんね、シャルちゃん」
「気にしてないからいいよー」
シャルちゃんはお茶を取りに行った後、村長の隣の椅子に座りこちらに目線を向けてくる。
「それで勇者さんの話私も聞いていい?」
「人に言わないと約束できるかい?」
「絶対に言わないよ。喋る必要もなさそうだしね」
俺は今度こそ自分がなぜクズ勇者であろうするのか話し始める。
シャルに関しては、一つのイラストから強くイメージして作りました。なのでシャルをイメージしたイラストのリンクを貼っときます。
よかったら見てみてください。
https://youtu.be/cU5BZJDQpL0
最後まで読んでくれたあなたに感謝




