第三話 変態勇者
どうもピースです。
この小説?は初めて書く小説なので構成は短めにして完結させることを目標としています。
今半分くらいまで書いているのでエタることは書いたデータが消える以外ないです。
俺は酒場の扉を開き外に出る。
「アリスこえーよ」
弱気な姿を人に見せるわけにはいかないので、人気のない道を選び宿に向かう。
俺が宿に着く頃には涙も収まり、泣き虫勇者からクズ勇者に再びジョブチェンジを果たした。
俺はお風呂に入りながら、今日の出来事を振り返る。
「どうして全員出て行かないんだ?」
ミラは昔の自分を知っているので出て行かない可能性も考えていた。
しかし、アリスとソフィアに限っては、追放すると決めてからではあるが、名前も呼ばずに対等な関係を築いたことすらなかった。
常に勇者だから上というスタンスをとりながら関わってきた。
「俺がまだクズになりきれていなかったのか?」
リアムの本性はクズではなく馬鹿なのだが、自分で気付けるはずもなくそのまま思考を続ける。
「作戦を考えないと」
ミラに限ってはまだ作戦を考えていたが、アリスとソフィアについては今日追放する予定だったので、今後の計画が一つもない。
ミラにする予定だった作戦は2人になった途端に恋人になろうと迫ることだ。
夜這いをバレるように行い、それに嫌気が差したミラがパーティを出て行く予定だ。
この作戦に必要なのは俺がクズでなければいけない。
本当にこいつならやりかねないと危機感がなければ成功しない。
「村長に協力してもらうか」
この村を出たら魔王城まで休息する町や村はない。
積極的に動かなければいよいよ追放するのが難しくなる。
お風呂で心も体も洗い冷静に次の作戦を考える。
俺が考えついた計画は、村長の孫娘に手を出すことだった。無理やり襲われひどく傷ついた女の子の様子を仲間に見せ失望させる。
「リアム!何してんの!」
「ガッハッハッハー!、こいつに勇者の愛を注いでやったまでよ」
「あなた最低ね、このクズ」
「お前達にもいっぱい愛をあげるぜぇー」
「私こんな勇者のパーティ抜けます」
俺は自分の馬鹿アレンジを加え都合のいい妄想をしていた。
そんなことしたらクズ勇者にも拍車がかかり、女を襲う変態として認識されることだろう。
それ以降の行動にも変態勇者となれば、自分が襲われるかもしれないという危機感も抱くだろう。
特にソフィアに関しては、男に迫られるのを嫌うため絶対に追放できる。・・・・・・と思う。
今回の計画がうまくいかなかったため自分が思っているよりも追放が難しいと思い、この村で追放できなくても、魔王城に着くまでには必ず追放しようと意思を固める。
寝る準備を整え布団に入るが、アリスのキレている顔が忘れずに浅い眠りにつくのであった。
俺は浅い眠りから覚めると、外に出る準備をする。
この村に滞在する期間は今日が最後で、明日には魔王城へと向かう予定だ。
なので今日村長の孫娘に手を出すしかない。
外に出る準備を整え宿を出ると薄明の空が広がっていた。
俺は朝の気持ちのいい風を浴びながら大きく伸びる。
早い時間帯なのですれ違う人は少ないが、俺に向けられる視線は軽蔑か眼を合わせないようにするかの二つだった。
「ごめん下さーい」
十分程かけて村長の家についた俺は、これから頼み事をするため演じていたクズ勇者を捨てて、普段通りに振る舞う。
朝早くに来てしまったため起きていない可能性も考えていたが、思いの外早く扉が開いた。
「おはようございます。勇者殿」
家から出てきた男性は少し驚いたように俺を見ている
家から出てきたのは30代くらいに見える灰色の髪をした村長本人だった。
「報酬の件でお話しに来ました」
報酬の件とは、この村が受けていた魔物の被害を解決した時に俺が馬鹿みたいな金を請求したため、一時的に保留になっていた話だ。
「とりあえずお入りください」
「はい、お邪魔します」
俺は村長と話をするため家に入る。
最後まで読んでくれたあなたに感謝