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第二十話 僧侶には二種類の人間がいる

どうもピースです。

 私が毎回あいさつする理由ですが、なろう系の小説作家は名前を覚えてもらえないイメージがあるので、どうせ小説を書くなら少しでも覚えてもらおうと毎回「どうもピースです」とあいさつしております。

 昨日の興奮であまり寝られなかったが無理やり体を起こしテントを出る。

 外に出るとアリスが朝食の準備をしていた。


「おはようアリス」


 アリスは俺に気がつくと一瞬ポカンとした顔をする。


「ああ、おはようリアム、ソフィアの事起こしてあげて」

「約束だしな。行ってくる」


 ソフィアが寝ているテントに入ると、そこには多少髪が乱れたソフィアが寝ていた。


「ソフィア、朝だぞ」


 声をかけると目を薄く開けて俺を見る。


「リアムどうしたんですか!」


 ソフィアは一気に目が覚めたのか、俺に駆け寄り回復魔法をかけてくる。


「どうしたんだソフィア?俺はなんともないぞ」

「なんともないなら、その口元の血はどうしたんですか?」

「血?」

「ほら」


 ソフィアが鏡を取り出し魅せてくる。

 昨日ミラとキスをした時に血がついてしまったのだろう。

 アリスにはバレていたんだろう、この後何か罰を受けるのではないかと顔が真っ青になっていく。


「やっぱり体調悪そうですよ。大丈夫ですか?」

「いや、本当に何ともないよ」

「私ならいくらでも回復させられますけど、心配はしてるんですよ。どうしたんですか?」


 ソフィアは本当に心配してるのだろう。

 彼女がよく人の悩みを聞く時に見せる慈愛の表情をしている。

 

「ちょっと口の中に切っちゃって、鏡で見たら思った以上に血がついてたからびっくりしちゃったんだ」


 すまないソフィア、真実を言った時が怖すぎて嘘をつくしかないんだ。


「もうリアムはおっちょこちょいですね。朝からびっくりしちゃいました」

「ごめんごめん、気をつけるよ」


 俺は口元に着いた血を吹くと外に出る。

 外に出るとさっきまでいなかったミラが椅子に座っていた。


「おはよう」


 昨日のことでちょっと緊張しながらも挨拶をする。


「おはよう!」


 ミラが俺とソフィアの方へ振り向く。

 しかし、こっちを見たミラに固まる。

 ミラの口元には俺と同じく血の跡が残っていた。

 錆びついたネジのように首を回しソフィアの方を向くと、無表情なソフィアと目があった。


「ひぃ!」

「どうしたんですかリアム?私は嘘をつかれたりしない限りリアムを傷付けたりしませんよ」


 無表情のまま口元だけ笑いながら、唐突にソフィアが質問をしてくる。


「僧侶になる人の特徴を知ってますか?」


 俺は汗を垂らしながら知らないことを伝えるため首を振る。


「じゃあ教えてあげます。傷ついた人を助けてあげたいって人や、病気に苦しむ人を少なくしたいなど、人を傷つけることを嫌う人が多いんです」

「そうだよな!ソフィアは優しいもんな!」

「媚びないでください。うるさいです」


 ソフィアが軽蔑した目を向けてくる。


「ただ例外があるんですよ。傷付けても回復魔法で回復させてまた傷付ける、そうやって自身の欲望を満たすドSな人が」


 反射で足が後ろに下がるが石につまずき尻餅をつく。

 俺は体からでる汗が止まらなくなっていた。


「ふふ、冗談ですよ。ちょっとむかついたのでからかっただけです」

「はは、よかったよ」


 本当に冗談かわからないがとりあえず助かった。


「ちなみにソフィアはどっちなんだ?」

「どっちもですよ」


 体に鳥肌が立ち本能的にソフィアを危険人物と認定していた。

最後まで読んでくれたあなたに感謝

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