第十九話 勘違い
どうもピースです。
今日出来る事を明日に残すな!
この言葉に影響を受けて行動が変わった人は、良くも悪くもバタフライエフェクトの分岐点かもしれませんね。
俺がキスを待つなんておかしいなと思わなくもないが、ミラがキスをしたがっているからしょうがない。
すると首元にキスをしてくる。
「首からなんて物好きだな」
「首以外どこから吸うの」
「え?」
するとミラが首元に噛み付いてくる。
「いったぁぁぁ!!」
「うまぁ!予想通りリアムの血は最高ね」
ミラの目が赤く輝き、頬に俺の血がついている。
「俺の血を吸うならそう言えよ!」
「最初から言ってたでしょ。リアムは何を勘違いしてたの?」
「俺は真の男になれると思っていた!」
「馬鹿なこと言って」
ミラはまた首元に噛み付かれ血を吸われる。
「やめて!痛いから」
「アイシャさん曰く最初だけらしいよ、だんだんリアムから求め始めるんじゃない?」
確かに段々とふわふわしてきて変な気持ちになってくる。
「大人しくなったね。これは吸血する時にヴァンパイアが流し込むとされる毒よ。毒以外に私の血を入れることもできるよ。たくさん血を入れたらリアムはもれなく私の眷属ってわけ」
確かにこれを続けられれば癖になってしまうかもしれない。
しかし、ミラは俺の頭を撫でながら衝撃的な発言をする。
「でも吸血し続けたら私が追う立場から追われる立場になっちゃうの。リアムを私の虜にするのは魅力的だけどそれは嫌だからソフィアに直してもらおうね」
「え?」
まだ冷静な思考ができるのでわかってしまう、それがどんなに地獄なのか。
「リアムはもう知ってると思うけど、吸血するとき一番痛いのは初めの一回なんだよね。噛み付いたら毒を流せばそれが体に残って鎮痛の役割をするけど、初めては牙が体に刺さる感覚と、流した毒に拒否反応を起こすからとても痛いの」
「それならソフィアには毒をちょっと残してもらおう」
またあの痛みを味わうなんてごめんだ。
「それはダメ!そうしたらリアムの反応が見れないじゃん!」
「そんなのどうでもいいだろ!」
「リアムにとってそんなことでも私に取っては大事なことなの!」
「やだ!俺は認めない」
するとミラは頬についた血を拭くと手の甲をチロリと舐める。
「リアムはそのままでいいよ。リアムは認めてなくてもソフィアに強制的に直してもらうから。そしたら私はまたリアムの反応が見れる。リアムが認めちゃったらつまらないもんね」
ミラは俺の首元に残った血を舐めるといきなり唇を合わせる。
「これはご褒美、リアムはもっと先に進みたいらしいけど今のままじゃダメね。私達の事どう思ってるのかはっきりさせないと」
そう言ってミラはテントを出て行った。
俺のファーストキスは忘れられないほどの血の味がした。
最後まで読んでくれたあなたに感謝




