第十一話 ヘタレ勇者
どうもピースです。
私生活が忙しくなってきたので、毎日投稿が難しいかもしれません。
なるべく毎日投稿出来るように時間を作りますが無理そうなら前もって皆様に伝えます。
もう一度伝えときますが絶対にエタらないのでそこはご安心ください。
「うるせーな!お前が同意してたらただの和姦じゃねか、つまんねぇんだよ!」
俺はあくまで嫌がる所を見たいというスタンスを貫き、ソフィアが諦めるのを待つ。
なんで俺が諦めるんじゃなくてソフィアに諦めさせるようにしてるんだ?
「私のことを壊れるまで楽しんでやるとか言っていたくせに、いざ始めようとしたら何もできなくなっちゃうんですね」
しかし、ソフィアは一向に諦めてくれそうにない。
これ以上クズ勇者として舐められるわけにはいかないので、覚悟を決める。
「そんなに犯されたいならやってやるよ」
「強気な女を屈服させるのも最高とか言ってましたよね。どうぞ私をご自由に」
過去の俺はそんな事言ってたのか!
恥ずかしくないのかね俺。
しかし、もうあの作戦を決行するしかない。
「ほら可愛がってやるから目瞑れ」
俺が命令すると、ソフィアはこちらに体を向けながら目を瞑る。
キスする寸前に臭いと叫べばいいだけだ俺、緊張するな!
こんな状況で落ち着いてなどいられない、自分の鼓動が聞こえてくる。
ソフィアに近づくと両肩に手を置き、ゆっくりと顔を近づける。
ソフィアの顔が近くなるにつれ緊張で体が動かなくなる。
やっとの思いで近い距離まで近づくと意を決して叫ぼうとするが・・・
「ほらやっぱり」
突然ソフィアが目を開きこちらに動き出す。
目が光っているので、目は瞑っていたが魔力感知を使っていたのだろう。
俺はソフィアから離れようと後ろに下がるが、ソフィアの動きが思ったよりも速く、倒れ込んでしまう。
ソフィアは尻餅をついた股の間に片膝を置き覗き込んでくる。
「全部見えてました。キスする勇気がないならそんな強がっちゃダメです。口だけの勇者なんてダサいですよ」
白く光る月がソフィアを彩るかのように照らしている。
ソフィアは俺のほっぺにキスをすると悪戯が成功した子供のように笑う。
「今はこのくらいにしておいてあげます。あとこのまま見張りしておいて下さいね」
ソフィアは立ち上がると自分のテントの中に入っていく。
目線でソフィアを見送ると俺はしばらく寝そべった体勢のままぼんやりと月を眺めていた。
いつもなら日常の風景として処理される月や星が今日だけはとても綺麗に映ていた。
しばらくすると頭も冷静になり、冷えた体を温めるため焚き火に薪をくべる。
「もう無理だなぁ」
冷静になった頭で仲間を追放出来るか考えるが、どうやっても追放できるビジョンが思い描けない。
最近では俺が反撃を喰らってしまっている始末だ。
もう追放にこだわらなくていいのかもしれない。
俺の目的は仲間が魔王と戦わないように追放しようとしていたが、一人で勝手に魔王の所へ行けばいい。
朝まで火が切れないよう多めに薪をくべる。
そして俺は仲間にバレないようこっそりと野営地を離れていった。
月が黄色に見えたことは一度もないのかもしれない・・・
最後まで読んでくれたあなたに感謝




