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第十話 押しているはずが逆に押されている件について

どうもピースです。

サブタイがなろうのタイトルでありそうな感じですよね。

「クソ!」


 地獄のループから抜け出した俺は歩きながらさっき起こった出来事を考えていた。

 いつもは俺がミラを圧倒し、嫌がらせ程度に痛めつけていた。

 しかし、今のミラには魔法を使ったにも関わらず惨敗した。


「ねぇリアム、私ちょっと卑怯だったかも」


 ソフィアがミラにバフでもかけていたんだろう。


「このクソ野郎!やっぱりズルしてやがったか!だからエルフの野郎も笑ってたんだな!」

「いやそういうことじゃ・・・」


 ミラの発言を遮るようにソフィアが喋り始める。


「そうなんですよ、いつもミラを見ていて可哀想だったので」


 やっぱりソフィアが関係していたらしい。


「ソフィア?」

「私はまだしもアリスはまだ満足してなさそうなので」


 ミラとソフィアがコソコソと喋っている。


「おい、聞こえてるぞ!」


 俺は会話の主導権を握るため適当に鎌をかける。


「あら、聞かれちゃったの?」


 急にアリスが会話に参加してくる。


「なんだお前は、話に入ってくるな!ややこしくなるだろ」

「フフ、ごめんなさいね」


 なぜかミラとソフィアから憐れむような視線を送られている。


「ミラとソフィアは、ただじゃ済まさないからな!」


 俺はこの後も威厳を取り戻すべくグチグチと小言を言い続けた。


 魔王城への道中は魔物なども出てきたが、俺は後ろで何もせずに仲間に任せていた。

 なんせ俺はクズ勇者だからな。

 見ていて気づいたがここら辺の魔物のレベルは低いらしい。

 大体ミラが出てきた魔物を瞬殺して終わっている。


「今日はここまでにするぞ!」


 もうすぐ日が暮れそうなので今日はここらへんで休むことにする。

 俺にとってはここからが勝負だ。

 この後ソフィアに対して夜這いを行い、昼の件のお礼と共に追放してやる。


 俺はソフィアが夜の見張りの時を見計らって起床する。

 テントから出ると焚き火の前で温まっているソフィアに話しかける。


「やっぱりお前が見張りだったか」

「やっぱりってなんですか?私に用でも?」

「お前には俺の相手をしてもらおうと思ってな」


 ソフィアは深くため息をついている。


「意味がわかりません。見張りをしないなら寝てください」

「嫌だね、ついてくるならその体で楽しませてもらうって言っただろ」

「気持ち悪いです」

「最後には気持ち良くなってるぜー」


 手をワキワキさせながらソフィアに近づくが、全然叫んだり逃げる様子がない。


「仕方がないですね、どうぞ」

「は?」


 ソフィアはこちらに向かって手を広げている。

 おかしいだろ、俺は今から襲おうとしてるのに抵抗もせずに受け入れるなんて。


「だから、好きにしていいって言ったんです。言葉の意味が分からなかったですか?」

「ソフィアはいいのかよ?」

「いいも何も、リアムが言い始めたことじゃないですか。ここまで言わせといて何もしないとか言葉だけのヘタレですか?」


 もう訳がわからん。

 でもここで何もしなければソフィアに負けを認めるようなものなので簡単に引けなくなってしまった。


「何もしないのに出てくるわけないだろ、ただ嫌がるところを無理矢理犯したかったのに興が削がれたな」


 気分が乗らなかったから今日は寝ると言える雰囲気を作らなければこのままソフィアとゴールインしてしまう。

 もうすぐ死んでしまう俺なんかと関係を持ってはいけない。


「あー、やっぱりリアムはヘタレですね、私がいいと言っているのに何もしないチキンだとみんなに言っときます」


 強気なソフィアに退路を断たれてしまい、後がなくなってしまう。

 最悪キスをする寸前に、臭いと大きな声で言おう。

 ソフィアが臭いからやりたくないと言い訳ができるし、テントで寝ている二人が起きてくれたらこの流れも終わるだろう。

ここのやりとりは長くなりそうだったので二つに分けました。

今日まで読んでくれたあなたに感謝

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