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義母と義妹視点

「邪魔者がいなくなってせいせいしたわ」


満足そうに、こう言った義母だったが、マチルダは不満だった。


もっとダーナを虐めたい。


ダーナが困った顔をしたり泣きそうになったりすると満足なのだ。


なんだか、自分が優れた人物になったような気がする。


いないと、そのチャンスがないので、なんとなく不満だった。



「婚約者を入れ替えてもらいましょうよ。そのことを真剣に考える時が来たわ」


母親は、娘に向かって言った。


「ロジャー様のこと?」


マチルダは少し赤くなって聞いた。


ダーナの婚約者は、態度は少々荒いが、なかなかの美男子だった。マチルダも夜会などで見かけたことがある。


「そうよ。公爵家の娘なら、王弟一家の一員になっても問題はないわ。ダーナなんかより、あなたの方がふさわしいわ。ただ、年がね……」


彼女は、表向き公爵の娘だということになっている。


義母の公爵夫人とダーナの父の公爵が知り合いになったのは、15年ほど前。だから、マチルダは14歳という設定になっている。娘の存在が、公爵を結婚に持ちこませたのだ。


「ロジャー様はあなたのことを14歳だと思ってらっしゃる」


マチルダは難しい顔をした。


確かに14歳では結婚は難しい。16歳なら十分だが。


「まさか、本当の年をばらすわけにはいかないし」


「でも、夜会で私を見たことがおありになるわ。皆さん、私のことを大人っぽいっておっしゃられますもの」


「そうね。魅力的だと思うわ」


母親の公爵夫人は娘のマチルダを自慢そうに眺めた。


「少なくとも、ダーナの婚約を取り下げて、あなたに差し替えしたいわ。結婚まで行かなくても、王家の一族に食い込みたいわ」



二人は、夜会と言う夜会には全部出席して、ロジャー様に媚びを売りに行く計画を立てた。


「ダーナときたら、太ってしまって、顔も醜いし、本当に王家になんか嫁げるような娘ではないしね。公爵家の恥ですわ」



マチルダはこの話をぜひともダーナに聞かせたくなってきた。


婚約者のことは大事にしているらしかったから、この話を聞いたら、さぞ、悲しむだろう。



ダーナは別にロジャーを好いてはいなかった。

ダーナにしてみれば、この二人に支配された家から出て行けるチャンスは結婚くらいなものだったから、その意味ではロジャーは頼みの綱(造語でしょうか。慣用句ならば頼みの綱か一縷の望み)だったのだ。


早く結婚したいくらいだった。


だが、そんなことは、マチルダは全然知らなかったから、当然ダーナが婚約者を愛しているのだろうと解釈していた。



「ちょっと、どこへ行くの? マチルダ?」



「フフフ、ダーナに教えといてやろうと思って。ロジャーはもう、あなたの婚約者ではなくなってしまうのよって」


「あんな汚い場所に行くのはおよしなさい」



義母は、ハッとした。


最後にダーナに食事を与えてからどれくらい経ったかしら?







「人間、いや、魔法使いは、やればできるもんね」


その頃、ダーナは、自分でデザインしたふくふくのあたたかい部屋着にくるまって、新しい魔法の本をパラパラめくりながら、新作のパイを賞味していた。


太ってはいけないと思って、自制していたが、パイの一切れくらいならいいんじゃないだろうか。


自分に自信のないダーナは鏡を持ち込んでいなかった。


だから、どんな変化が自分に起きているのか知らなかった。

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