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弘美と純一の場合 vol.114. ある種、葛藤…。
そして、何よりもこの一週間と言う期間での海外旅行の間で、
何か…浅川弘美との新しい展開が、
もしかしたら、あるのではないかと言う…、
胸の中では期待もありながらも…。
また初めての経験でもありながらの…、
ある意味での不安も抱えながら…。
そして、その不安の中には、
あの時の加瀬礼子との関係もチラつかせながらも、
ある種の葛藤も複雑に入り乱れながらも…、
時間を過ごしていた。
凡そ、そんな藤崎純一の座席とは殆ど対角である位置に、
座席から立ち上がって、後方を見回したとしても、
殆ど頭の天辺くらいしか見えないくらいの距離感のある位置に、
弘美の席はあったのだった。
もちろん、その席で弘美が何をしているのかと言う事は全く分らず、
どういう状態で時間を過ごしているかなども分からない状態で…。
時折、通路を行き交う客室乗務員がカートを押しながら、
搭乗者にサービスを提供しているのだった。




