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弘美と純一の場合 vol.108. 年上の女性に…。
「マスター、どう思う…彼女…???」
「……。あなたの事ですから…、大丈夫じゃ…ないですか。」
「だと…良いんだけど…。」
あの夜…、弘美が店から帰るのを見届け、
再び、店の中に入った礼子の思惑…。
浅川弘美に話した「相談事…」と言うのは、
建て前的には、もちろん、今の藤崎純一と浅川弘美の事だった。
ただ、その事をダイレクトに話をしても、
浅川弘美、大人の女である。
彼女にしてみれば、礼子よりも数歳年上の女性と言う事で、
もちろん、女性としてのプライドもあるのが当然の事。
年下の女性から自分の男性像に対して、
あれこれ言われれば、それだけでひと悶着にもなり兼ねない。
それどころか、今後の仕事に関しても気まずい部分…、
ある意味では亀裂が生じてくると言う可能性さえあるのである。
悪くすれば…、その話を持ちだしたその瞬間、
いきなり目の前のグラスの中の飲み物を、
礼子の顔にぶちまけると言うシーンすらも、
想像できそうなものなのである。




