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弘美と純一の場合 vol.23. 歳月を経て…。
そんな旅行関係に携わる仕事を、
20年以上も続けながら…、
最愛の人を失って以来、時間があれば、
仕事のための旅の企画を自分なりに探究する日々や、
自ら休みを利用しての小旅行に足を運ぶ日々が、
過ぎて行ったのである。
愛する夫との死別から既に5年の歳月…、
そんな矢先に、偶然のハプニングがもたらした異性との接触。
しかも、その体を支えられたと言うそんな状況下で、
異性…それも、自分と同じような年代周辺なら、
その時のシチュエーションも、そんなに敏感に、
心に留める感じではなかったであろうが、
自分より遥かに年齢を下回り、
しかも、若い体に、一瞬見ただけで見て取れる、
そのマスクの甘さに、女心としても、本人の意思とは裏腹に、
こころのその奥の部分に、
微かに疼くものがあったとしても不思議ではないのだ。
他にも、何故かしら弘美の体をくすぐるような…、
そんな雰囲気も脳裏を微かに過ったのも確かであった。




