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弘美と純一の場合 vol.91. 雰囲気作り…。
全く初めてのお店に弘美を案内するのも、
これ一応はアバンチュール。
40代の女性が初めての店に一人で入るのも、
一種の雰囲気作りのエッセンスとも言えるもの。
ある意味では、いたずらっぽいと言う風に思われるかも知れないが、
雰囲気もなにもなしに、いきなり本題と言うのなら、
話題としてはお粗末にしか思えない。
女性同士の会話としても、少しは趣と言うべき、
エッセンスを少しでも養っての話題から入りたいもの…。
そう礼子は、今までの経験から瞬にして考えて、
その店を弘美に教えたのだった。
女性同士の話題の運び用には持って来いの、場所でもある。
しかも、マスターも、それ相応に男と女の話題には長けている。
モチベーションとしては申し分なし…と。
弘美が店に入って、マスターから案内され、
それからの弘美の仕草で、
「加瀬様からお電話を戴いております。ごゆっくりとどうぞ…。お飲み物は…まずはジュースで…よろしいでしょうか…。」




