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弘美と純一の場合 vol.88. 2度目…。
そんな藤崎純一が今、目の前にいる。
2度目の打ち合わせである。
そして加瀬礼子も弘美の右前にいて、
プランをイメージしながら、そして純一に冗談交じりの言葉を投げ掛けながら…。
雰囲気は前回よりも、和やかな雰囲気で、
打ち合わせが進められている。
純一の表情も、前回とは異なり、
少しずつ笑顔までも零れるような表情に変わって、
弘美としても、気分的には普段のプランの進め方と変わらない、
落ち着いた感じで時間過ぎて行くようなムードを感じていた。
人との出会い、その印象と言うものは、
初めて逢ってから、ほんの数秒で、
印象はその人本人にインプットされるものである。
全く見ず知らずの他人同士の浅川弘美と藤崎純一。
あの時のあの喫茶店で奇遇にも急接近しての初めての出会い。
…そして今、お互いがお互いを意識している事すら知らないままで…。
しかし…そのふたりの意識を傍にいる加瀬礼子だけが、
知っていると言う…。




