68/156
弘美と純一の場合 vol.84. 切掛け作り…。
ひとえに切掛け作りである。
男であろうが、女であろうが、その関係になるには、
必ずと言って良い程に「切掛け」がなくてはドラマは始まらない。
但し、その「切掛け」でお互いに知り得たとしても、
今度は、その「切掛け」から一歩を踏み入れなければ、
物語は始まらないのである。
「これだけの男なのよ。」と、女であれば誰でも、
彼氏にしたくなる要素を持ち合わせている…、
にも関わらずに、本人は全くその気がない。
けれども自分の年上であれば…。
けれども…そんな調子の良い話なぞ、
そんなに簡単に訪れるはずなどないのだ。
…が、そんな「はずなどない…。」が、
偶然にも向こうからやってきたのである。
しかも、向こうも、何やら、その気あり…的なムードで…。
けれども、それを個人的には自分自身を意識していながらも、
お互いの事を認識している気配すらない。




