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弘美と純一の場合 vol.77. アプローチ
「こんな私でも、これから一緒に…仕事…出来る…???」
「…そんな事…言われても…俺…。どうしていいのか…???」
「藤崎君には悪い事…したと思ってる。ほんとよ。…でも、私と同じ事、本当は、会社の女性、みんな…藤崎君とは…したいと…思ってるのよ。これが女性の本音。でも、それが出来ないのよ。頭では考えている事だけどね。」
「…そんな事…、言われても…。」
「そうよね、…藤崎君だって、困っちゃうよね、こういう事…言われても…。」
「……。」
「でも…考えてもみて、君自身が、そういう風に感じてなくっても、女性なら、君みたいな逞しい体に、芸能人のようなイケメンの男性…放っておくと思う…???おまけに、若い女性には目も呉れない…。」
「えっ…???そんな…俺…???」
「けれども…あなたは未だに独身…、それに恋人もいない…。けれども魅かれる女性はいる…。そうじゃない…???」
「…えっ…???なんでそんな事…、俺…別に…。」
礼子は一瞬、ほくそ笑んだ。
純一のその表情に、
「私のアプローチは無駄じゃなかった。」




