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弘美と純一の場合 vol.76. 大衆の中で…。
もちろん、男女共に、同じ社の連中が、
その会場にいる事など知る由もない。
そんな中で、かなりビールも進み、
休憩がてらに、レストルームに席を外した純一を、
遠くから目に留め、さりげなく席を立ち、
レストルームから出て、階段を下りていく、
純一の姿を追い掛けたのである。
その間に、誰かが会場を出たとしても、
殆どがレストルームとの往復なのだから、
誰かがどういう行動を取っても、
眼中には入らない訳である。
しかも、純一と礼子が何かのハプニングの末、
会場に戻ったとしても、男性なら、
「チョット風に当たってきた。」の一言で、
またビールを交わす。
そして、女性なら、「ごめんね、チョット化粧直し。」の一言で、
また会話に混じる訳である。
大勢の人が賑やかにビールを飲んでいる中での、
個人の行動などは、
完全に掻き消されてしまうと言う状況が其処にはあるのである。




