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弘美と純一の場合 vol.73. 無防備なままで…。
ほろ酔い加減で少し外の空気を吸いたくて、
レストルームから手頃な場所を探して、
別の階のバルコニーで外の景色を見ていた時に、
後ろから誰かに軽く肩を叩かれた。
一瞬、記憶にあるその感触に…「アレ…???」
と、振り向いた瞬間、逞しい肉体ではあっても、
正に無防備なその体が、細くも柔らかい二の腕に首を絡まれ…、
甘い香りのするその形良い唇が純一の唇を覆ったのである。
純一は何がどうなったのかを認識するのには、
多少時間が掛かった。
がっちりとした体も、事もあろうか、しなやかに柔らかく、
しかも、体を密着しながらも微妙に揺れる体に、
何一つ抵抗も出来ずに、純一の両手はどうする事も出来ずに、
相手とのバランスを必然的に保つだけなのだった。
酔いも手伝い、相手の、されるがまま長い時間、
唇と唇は重なっていた。
次第に、重なりながらも、密着した体のまま、
相手の左腕は、純一の無防備な右手を持ち、
自分のブラウスの上から、豊かな膨らみに辿らせるのだった。




