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弘美と純一の場合 vol.70. 周囲の意識から…。
けれども、そんな純一の思いとは裏腹に、
周囲の意識が純一のこころに、
少しずつ植え付けられて行く事になるのである。
いつも周囲にある姿は、ある機会を介してのみ、
目に飛び込んでいる姿よりは圧倒的に、
こころを占領する力は強いのである。
理想とする女性と初めて面識を持ち、
お互いを実感し合い、そしてお互いを認め合い、
それが何の支障もなく、真っ直ぐに向かうべき道を辿れば、
それがお互いの出会い、そしていずれは、
恋に繋がるルートにもなるのではあるが…。
けれども、現実としては、個人ではなく、
周囲の環境も手伝い、全く、その道には疎いとも思える側面から、
自分の意識とは異なる…脇道に逸れる場合も、無い訳ではない。
それが、ある感触から生み出されるエピソードに、
少しずつではあるが、純一にも近づいていた。




