53/156
弘美と純一の場合 vol.69. 自分の理想の姿
まさか同僚が自分と加瀬との事を意識しているとは、
藤崎自身、思っても見なかった。
しかしながら、ここ数日のところ、純一自身、目の前に、
自分の理想の姿を現実として出会った瞬間には、
思わず胸を締め付けられたように、
一瞬、息を呑んだ感じだった事は間違いない。
弘美との実に、真正面で出会った、あの衝撃は、
今後、実際にお互いの出会いと言う意味では加瀬礼子とも言う、
第三者の存在もあり、お互いをお互いに、
両方を再確認したと言う現実であった。
その興奮はしばらく続き、収まるには多少の時間が掛かったが、
打ち合わせをしながらにして、少しずつ、
弘美の姿勢と温かみのある口調に次第に、
落ち着きを取り戻してはいたのだった。
そんな思い掛けない現実の遭遇から、
純一のこころの中には、出会ったその嬉しさと喜びが、
少しずつ膨らんでいたのであった。




